数字を見れば不吉な予感…アメリカ経済はリーマンショック時よりも悪化するかもしれない

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破綻3行の債務合計はリーマンショック時以上

 米国の金融システムの動揺が一向に収まらない。

 5月1日、米地銀ファースト・リパブリック・バンクが経営破綻した。破綻した米銀行の資産規模としては過去2番目だったが、米銀最大手JPモルガン・チェースによる買収が決まり、市場では「大きな混乱は回避された」との安堵感が広がった。

 だが、翌2日の米株式市場で地銀株が軒並み下落した。特にカリフォルニア州を地盤とするパックウエスト・バンコープは一時42%安となった。

 シリコンバレーバンク、シグネチャーバンクに続き、2カ月足らずで3つの銀行が破綻したことへの警戒感が強まっていることのあらわれだ。

 最近破綻した地銀は「『スーパープライム』と呼ばれる信用力が高い富裕層を専門にしていた」という共通点があった(5月2日付日本経済新聞)。このことは経営上の利点とされてきたが、急速に利上げが進んだことで、富裕層がより高い金利が得られる別の銀行や投資先に逃げ出してしまったことが災いしてしまった。なんとも皮肉な話だ。

 2008年のリーマンショックの際には信用力の低い個人向け住宅融資「サブプライム・ローン」の焦げ付きが問題となったが、今回の危機は全く違う様相を呈している。「金融危機は常に違う顔で現れる」という警句の正しさを痛感する今日この頃だ。

 日本でも「再び金融危機が起きるのではないか」との懸念が生じているが、足元の状況で既に「リーマン超え」の数字が散見されるようになっている。

 2008年のリーマンショック時は25行が破綻し、債務の合計は3736億ドルだったが、今年破綻した3行の債務の合計はそれを上回る5485億ドルに達している。

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