銀座・強盗事件を「バカのやること」とあざ笑う ルフィ事件後に様変わり“中国人ウォッシャー”も暗躍する「振り込め詐欺」最新手口

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「ウォッシャー」と呼ばれる洗浄屋

 特殊詐欺は受け子など末端の実行犯が最も逮捕リスクが高く、彼らから“アシ”が付くケースが多いとされる。そのため、いまでは受け子などを使わない手法が主流になりつつあるというのだ。実際、ルフィ事件では実行犯のスマホに秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を使った指示役とのやり取りなどが残っていたことから、捜査が進展した経緯がある。

「かけ子が“息子”や“役所”などを装って高齢者宅に騙しの電話をかけるところまでは同じだが、いまはカネを受け取るため受け子を自宅に向かわせるのでなく、こちらが指定した口座に被害者みずから振り込むよう誘導している。ただし1日の口座間振り込みの上限額は銀行ごとで異なり、一度で巨額を騙し取るのは難しい。振り込ませる額は200万や300万円程度が多い」(同)

 詐欺集団が指定する口座は、俗に「道具屋」などと呼ばれる犯罪者グループから購入したものであり、最近は「メガ(大手銀行)のネットバンキングの口座が人気」という。

「指定の口座に振り込ませ、一定額がプールされれば、ビットコインなどの暗号資産に換金する。この時に登場するのが“ウォッシャー(洗浄屋)”と呼ばれる暗号資産のロンダリング(資金洗浄)を専門とする中国人の犯罪グループだ。30~40%もの法外な手数料を取られるが、仮に1億円を預ければ6000万~7000万円が現金化される」(同)

台頭する中国系グループ

 一般にビットコインなどの暗号資産は所有者の匿名性が高い反面、移動履歴がブロックチェーン(分散型台帳)上に残るため、追跡が容易とされる。

「バカ高い手数料を取られるのは癪だが、現金化が難しいはずの暗号資産の“洗浄”を彼らはやってのける。具体的な方法は知らないし、やり方が分かれば自分たちでやっている。彼らが中国本土に拠点を置く中国マフィアに繋がるグループという以外、詳しい素性も知らない。事実、中国人とはテレグラムやシグナルなどで事務的なやり取りをするだけで取引は完了する」(同)

 中国人グループは逮捕リスクもなければ、汗を掻くこともなくピンハネできる「一番オイシイ」役回りにあるというのだ。

「振り込め詐欺の拠点はカンボジアやタイ、フィリピンなど東南アジアを中心に広がるが、理由は時差がほとんどない上に、いざとなれば賄賂が効く適度な“汚職社会”だから。最近は中国人マフィアが各国に1棟丸ごと購入した商業ビルに、日本人のほか、韓国人やフィリピン人などの詐欺グループがフロアごとに間借りしているケースもある。賃料は高いがセキュリティが厳重なので、利用するグループは今後も増えるだろう」(同)

「日本が発祥」とされる“オレオレ”を始めとした特殊詐欺だが、いまや後発の中国人の存在を抜きには成り立たなくなっているという。

デイリー新潮編集部

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