1968年に起こった「明治ブーム」 一大祭典だったのに東京五輪、大阪万博より印象が薄い理由(古市憲寿)
東京国立近代美術館の「重要文化財の秘密」展へ行ってきた。
現在、国指定の重要文化財(美術工芸品)は10872件あるが、明治以降の近代に限ると68件しかないのだという。確かに重要文化財というと、古くからの仏像や日本画を思い浮かべる人が多いだろう。
重要文化財の中で特に価値が高いものが国宝に分類される。国宝指定された近代の作品はまだない。
そもそも明治以降の作品が初めて重要文化財に指定されたのは1955年のことだ。同年に4件、翌年に2件の日本画が指定されてからは、11年もの間、近代作品が何も指定されない時期が続いた。...