中田不在で貧打の「原巨人」が筒香獲りも絶望的なウラ事情 「バウアー争奪戦」に続き、DeNAに“完敗”の必然
好調「5番」の不在響き、岡本まで下降線
プロ野球・巨人は5月7日の中日戦(バンテリンドーム)を1-2で競り負け、この3連戦で3連敗を喫した。打線は七回に大城卓三が高橋宏斗からのソロ本塁打で均衡を破ったものの、好投の赤星優志が直後に追い付かれると、「魔の八回」にリリーフ陣が乱れ、決勝点を献上。最下位チームに3試合連続で終盤に逆転される、ふがいない戦いぶりだった。
開幕から課題の投手力の不安定さを露呈するとともに、中田翔が右太もも裏の肉離れで離脱した直後の3試合で計5得点と得点力不足に陥った。5月に入っても投打で一向に浮上の兆しは見えず、テコ入れの必要性が指摘されるのだが……。
中田は負傷するまでリーグトップの7本塁打を放つなど、打線の核だった。ネット上では、中田しか打点を挙げられなかった開幕2試合目までのチーム状態が「中田個人軍」と呼ばれ、逆に故障離脱すると「巨人終了」の文字が躍るほど絶大な存在だった。事実、この中日3連戦では不在の影響がもろに出ていた。
中田の指定席だった5番には丸佳浩が入ったものの依然、本調子に遠い。4番の岡本和真は自らの後ろの強打者がいなくなったことで、3試合で10打数1安打と精彩を欠いた。「相手バッテリーは、これまでは中田がいることで岡本には四球は与えたくないとストライクゾーンで攻めざるを得なかった側面があった。しかし(不調の)丸が5番なら岡本を四球で出してもいいため、岡本にはボール球を使いながら抑えにいける。中田がいなくなり、岡本まで下降線を辿るのではないか」とは元NPB球団監督の分析だ。
定位置だった一塁には売り出し中の秋広優人が入っている。だが今季、1軍で初安打を放ったばかりの20歳に、中田の代役を求めるのは酷だ。
中田は復帰の見通しが立っておらず、長期離脱の可能性さえある。
「(出場選手再登録が可能になる)最短の10日で戻ってこられるような故障ではない。完治したとしても故障前の打撃の状態に戻すまでには相当な時間がかかる。すぐ使える長距離打者を補強できれば話は別なのだが、それも簡単ではない」(前出の元監督)
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