亡くなった父親の日記を読んで知った“本当の夫婦関係”に衝撃… 不倫で悦びを知った43歳夫の述懐
「どこまで開放されたら自分の気がすむのか…」
そこで彼は声をひそめて続けた。
「実は今、彼女から3人でしないかと誘われているんです。父の日記にあった3Pです……。僕にそれができるのか、したら楽しいのかはわからない。でも彼女との性は僕を変えました。このまま彼女といけるところまでいきたい気持ちはある。彼女は『私たち、最強のパートナーよね』といつもうれしそうに言うんです。正直言って、気持ちの面では彼女についていけないところもまだあるんですが、それでも彼女が僕の閉じられていた扉を開いてくれたのは確か。ただ、どこまで開放されたら自分の気がすむのかわからなくて、ちょっと怖いんです」
性的欲求はエスカレートするのではないか、3人でしたら次は何があるのか。そして自分の性的エネルギーはもつのだろうか。彼の不安は募っていく。
性の楽しみに魅入られたら、いけるところまでいくしかないと個人的には思う。どうしても無理なら途中で引き返すことも可能なのだから。そう言うと彼の表情がさっと晴れた。彼は誰かに背中を押してほしかったのかもしれない。
彼の場合、いわゆる「不倫の罪悪感」はないのだ。それより自分自身を開放することが今は大事だと無意識のうちに思っているのではないだろうか。子どものころからの性格や行動は、彼自身が望んだものではない可能性が高い。だったら、本当の自分はどこにいるのか。それを求めたいのではないだろうか。そんな彼の心の声が聞こえてくるような気がしてならなかった。
しばらくたってから幸平さんから連絡があった。
「先日、彼女に言われました。この1年で、ようやく性的に互角に闘えるようになったねと。若い彼女を師と仰ぐしかない状態だったんですが、今は対等に楽しめるようになってるみたいです。3Pの件もそうですが、彼女にはさらなる欲望があるみたいなので、手を携えて高みを目指すつもりです」
高みに登ったとき、見えてくる景色によって、彼の人生はがらりと変わるかもしれない。それでも彼は後悔しないと言い切った。
前編【結婚するまで女性を知らなかった43歳夫の告白「いま思えば、奇妙な母子関係が大きく影響した」】からのつづき
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