欧米が規制強化、中露によるサイバーテロも懸念 ChatGPTが抱える最大のリスクとは?

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対話型AIが当たり前に

 三井住友フィナンシャルグループ、パナソニック コネクトに電通デジタル。直近ではベネッセコーポレーションなど、日本でも名の知れた大手企業が続々「対話型AI」の導入に名乗りを上げている。

 各社はあくまでも“社員の業務補助”が目的だと説明しているが、いよいよ“AIが人間の仕事を奪う日”が現実味を帯びてきたと感じる人もいるだろう。

「特定の雇用が失われるというよりも、既存の仕事のやり方や内容が大きく変わる。そういった可能性の方が高いと思います」

 と話すのは、前出の辻氏。

「ホテルやレストランの予約など、事務的な対応が求められる業務では、すでに一部をAIに任せる企業が増えています。対話型AIは文章の要約や疑問に対しての提案などをするのが得意ですから、今後は頭脳労働を行う層で日常業務に使うことが当たり前になってくる。新たなサービスが幾つも派生してくるのではないでしょうか」

他国から攻められる前に

 日本のAI研究の第一人者である東京大学大学院の松尾豊教授に聞くと、

「たとえば、ブラックな職場で働く労働者が弁護士に相談しようとしても、これまでは高額な相談料がかかって縁遠いものでした。AIがこれに取って代われば、気軽に“それは違法”だと教えてくれるようになる。そんなビジネスモデルが実現すると、多くの人が一気に利用するでしょう」

 日本企業もビジネスチャンスを逃してはならないとして、松尾教授はこう続ける。

「対話型AIには言語の壁がありませんから、日本人がやるしかなかった国内の法律相談など専門性の高い分野にも、アメリカなどのサービスが参入する可能性があります」

 他国から攻め込まれて太刀打ちできなくなる前に、日本企業は国内に特化した対話型AIのビジネスモデルを構築すべきだと訴える。

「加えてAI技術そのものも完全に海外に依存するのは危険です。何らかの要因でサービスを停止された場合、国際競争力を失うことになります」(同)

 生き残りをかけた“AI戦国時代”が始まろうとしているのかもしれない。

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