「ドロドロ血液」汚れの四つの凶悪原因とは? 血管を若返らせる「抗酸化食品」を紹介
脳の血流悪化で認知症に
一方、認知症は脳の認知機能が低下する病気。一見、「血管」とは無関係な病気のような認知症ですが、例えば、日本人の認知症患者の60%以上を占めるアルツハイマー型認知症は脳の血流が悪くなることで発症リスクが高まることが分かっている。また、20%を占める脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血の後遺症として発症する。こうして見ると、認知症も脳の「血管」がその発症に大きく関与している病気といえるのです。
さらに要介護生活に陥る原因には狭心症や心筋梗塞などの心疾患のほか、細血管障害を引き起こす糖尿病などもあります。これらを合わせると、介護原因の実に40%以上が「血管」に関わる病気で占められているのです。
つまり、血管を強くしなやかに若返らせることができれば、要介護リスクを抑え込める。“若返らせる”といっても特別な施術や高額な医薬品は必要ありません。日々の食生活や習慣を少し見直すだけで「血管」の老化を抑えることは可能なのです。
いかにして血管は老化する?
では、そもそも“血管が老化する”とはどういうことなのでしょうか。
私たちの体にある血管を全てつなげると、その全長は約9万キロメートルに及びます。このうち酸素や栄養を体の隅々に届けるのが「動脈」、老廃物や二酸化炭素を回収してくるのが「静脈」です。
心臓から出る大動脈は最も太い血管で、その直径は約3センチメートル。この大動脈が枝分かれをして次第に細くなり、直径0.01ミリメートル程度の「毛細血管」となって臓器や組織に酸素や栄養を送り込むのです。大動脈が都市と都市とを結ぶ高速道路だとしたら、毛細血管は街の中にある生活道路のイメージでしょうか。どちらがより大切というものではなく、どちらも健康な生活には欠かすことができない重要な組織です。
心臓から送り出された血液は、このように全身に張り巡らされた血管を一周し、たった1分足らずで元の心臓まで戻ってきます。血液はものすごいスピードで私たちの体の中を流れているのです。
実は、この血流の勢いは心臓のポンプの力だけで生まれるものではありません。動脈の内壁を構成している平滑筋という筋肉がポンプのようにしなやかに動くことで、血液を勢いよく先へ先へと送っているのです。
そして、この平滑筋が衰えて硬くなってしまっている状態こそが“血管の老化”です。平滑筋が衰えると、ポンピングの力が弱まり血流も勢いを失ってしまう。その結果、脳や臓器、体の組織に酸素や栄養が十分に行き渡らず、さまざまな病気を発症するのです。
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