監督交代で低迷…阪神・佐藤輝明に重なる「藤浪晋太郎」の姿 見習うべき選手はいるのか?

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岡田監督は「物足りない」

 岡田彰布監督が15年ぶりに復帰した阪神。開幕9連敗と最悪のスタートとなった去年とは違って、ここまで首位争いを演じており、2005年以来となるリーグ優勝への期待が高まっている一方で、昨年から続く課題は長打力不足だ。なかでも、今季の序盤戦で、スラッガーである佐藤輝明の“低迷”が大きな誤算になっている。【西尾典文/野球ライター】

 4月29日のヤクルト戦で2本のホームランを放ったものの、5月1日現在で打率.215、3本塁打、8打点と打撃不振が続いている。さらに、得点圏打率は1割台と、中軸打者の役割を果たすことができていない。

 振り返ってみると、岡田監督は、就任が発表された直後の秋季練習から佐藤については「物足りない」と発言していた。春季キャンプでは、新しい打撃フォームを試すなど、シーズン開幕前から佐藤の状態が不安視されていた。

 解説者や球団OBからは、今年の佐藤について、グリップの位置や下半身の使い方など気になる点が多く、入団当時のような力強さが感じられないという指摘が聞かれる。他にも、2年続けて結果が出ているにもかかわらず、何かを変える必要があるのかという意見や、フォームを変える時期について疑問の声も出ている。このまま低迷が続くようであれば、佐藤をレギュラーから外すべきという論調は、さらに強まることになりそうだ。

監督交代のタイミングで不振に

 苦戦する佐藤の姿を見て“ある選手”の姿を重ねるファンも多いのではないだろうか。今年からメジャーに移籍した藤浪晋太郎だ。

 藤浪は、ルーキーイヤーから3年連続で二桁勝利をマークするも、金本知憲監督が就任した4年目以降は低迷した。2017年からは、一度も規定投球回数をクリアできず、昨年オフに環境を変える道を選んだ。佐藤はプロ入りから2年連続20本塁打を記録したが、監督が交代したタイミングで不振に陥った。この点は、藤浪と共通している。

 阪神には、順調なスタートを切りながら、その後、大きく成績を落としている選手は他にもいる。15年ドラフト1位の高山俊は、ルーキーイヤーに136安打を放って、新人王を受賞する華々しい活躍を見せた。しかし、現時点では、ルーキー時代の成績が“キャリアハイ”となっており、30歳を迎えた今季もここまで二軍暮らしが続いている(5月1日現在)。

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