阿佐ヶ谷姉妹は末永く愛されるコンビになると思うワケ
世に出た瞬間から誰もが認める魅力的なキャラ
4月3日、阿佐ヶ谷姉妹の冠番組「阿佐ヶ谷アパートメント」(NHK)の第2シーズンが始まった。阿佐ヶ谷姉妹の2人は個性豊かな住人たちが住むアパートの大家という役回り。彼らと一緒に価値観をテーマにしたVTRを見ながら、和やかにトークを展開していく。昨今話題の「ダイバーシティ」をテーマにした穏やかな雰囲気のバラエティ番組である。
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ピンクのドレスに身を包んだ疑似姉妹コンビの阿佐ヶ谷姉妹は、いまやすっかり売れっ子になった。渡辺江里子と木村美穂の2人は、血のつながりこそないものの、顔や雰囲気が似ていることもあり、「姉妹」を名乗って活動をしている。
芸人として売れるにはキャラが大事だと言われる。芸人たちはあの手この手を使って新しいキャラを作ろうと躍起になる。衣装や髪型を変えてみたり、言葉遣いを工夫したりギャグを考えたりすることで、何とか他人よりも目立つキャラを確立しようとするのである。
しかし、阿佐ヶ谷姉妹の2人は、芸人として世に出た瞬間から、誰もが認める魅力的なキャラを持っていた。外見は似ている感じもするが、ネタやトークの中ではとぼけた雰囲気の美穂と切れのあるツッコミを見せる江里子のキャラクターの違いが際立っていて、コンビとしての相性も抜群である。
言動にそこはかとなく感じられる品の良さ
2人とも歌唱力に定評があり、由紀さおり・安田祥子姉妹の歌真似のネタで注目された。その後も、自分たちの見た目や歌唱力の高さなどの武器を生かして、誰が見ても笑えるネタを量産してきた。2018年には「女芸人No.1決定戦THE W」(日本テレビ系)で優勝を果たし、女性芸人の頂点に立った。
阿佐ヶ谷姉妹の魅力は、駆け出しの若手芸人のようなガツガツしたところがなく、言動にそこはかとない品の良さが感じられるところだ。
でも、決してお高くとまっているわけではなく、阿佐ヶ谷のアパートで庶民的な生活をしているというところに親近感を沸かせる 。自分たちが「おばさん」であることに卑屈にならず、むしろそれを肯定的に捉えて、明るく生きている姿が好感を持たれている。
2018年に刊行された彼女たちのエッセイ本『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(幻冬舎)はベストセラーになった。この本では、独身中年女性の2人が、六畳一間のアパートで共同生活を送っていた頃の等身大の日常がつづられていた。
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