小学生に教わる「ローカルコンビニ」の魅力 きっかけは近所の謎の看板…東京に呼びたいイチオシ店舗は
多くの人に知ってほしい立山サンダーバード
瑛都:サンチェーンのように別のコンビニになってしまっても、内装などにかつての痕跡が残っていないかなど、そういう点を調べるのも好きです。
渡辺:すごい着眼点ですね。
瑛都:かつて雪印乳業さんが運営していたブルマートというコンビニがありましたが、1990年代前半にam/pmの傘下に入ったあと、コンビニ事業から撤退してしまいました。そんな元ブルマートだった店舗が茨城県の大子町にあり、実際に行って店主さんともお話させていただいたこともあります。am/pmは都心中心の展開だったので、商品の配送面で非常に苦労されたそうです。
渡辺:考古学的な行動ですよね。現地に行って実際に話を聞くって本当に大切なことです。ネットでも調べるけど、最終的には現地で確認。最近はChatGPTの勢いがすごいことになっているけど、瑛都くんの行動と知識はChatGPTにも勝てる。
瑛都:ありがとうございます(笑)。
渡辺:適当なお世辞じゃないですよ。僕も現場主義なので、現場で得た情報の重要性を実感しています。ローカルコンビニで言えば、昨年2月にはさくらみくら便利店に行きました。
瑛都:2021年から展開している群馬の新しいローカルコンビニですね。父の会社の人が群馬に住んでいて、僕がローカルコンビニが好きだと知ってくれていたらしく、さくらみくら便利店で販売されている地元の「新田パン」製造のプレッツェルをお土産にいただいたことがあります。
渡辺:どの話題を振っても返ってくるのが素晴らしい! ローカルコンビニに関しては確実に瑛都くんの方が詳しいので聞きたいことがあるんですが、ローカルコンビニの記録・情報ってネットで調べても意外と出てこないことが多くないですか? とくに写真や画像がまったく出てこない。
瑛都:たしかに、そうですね。画像で言えば、『マツコの知らない世界』で共演させていただいた加藤弘倫さん(※ローカルコンビニ2,000店舗を巡った男性。瑛都氏曰く「ローカルコンビニの神」)がローカルコンビニのロゴのリストを作成していて、それを見ながら気になったコンビニをネットで検索してみるのですが、やっぱり出てこないことが多いです。
渡辺:やっぱりですか……。ほんの20~30年前のコンビニ関係の画像がネットで探してもなかなか手に入らないんですよね。だから、掘って掘って掘りまくれば、まだまだ貴重な情報がたくさんあるはず。とくにローカルコンビニにおいては、瑛都くんのような現場主義が大切だと思います。ちなみに、ローカルコンビニのオーナーで「三大チェーンに入ろうか迷っている人」っていましたか?
瑛都:いや、いないですね。プライドを持って営業している人がほとんどで、あとは高齢で後継者もいないから、自分の代で閉店を考えている人が多い印象です。ローカルコンビニの存続の危機に陥っていると言えます。
渡辺:大手チェーンが似たような商品ばかりでつまらないから、ローカルコンビニの家庭的な弁当・惣菜といった品揃えは本当に魅力的。でも、それだけでは生き残るのが難しいんですよね。東京に1チェーンだけローカルコンビニの支店を置けるとしたら、どこを選びます?
瑛都:……迷いますが、富山県にある立山サンダーバードさんです。『マツコの知らない世界』でも紹介させていただきましたが、おでんやピザまんなどの個性的な具を挟んだ数多くのサンドイッチ、ジビエのおにぎりなどは大手コンビニではまず見られないので、ぜひとも東京の人にも味わってもらいたいです。
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