観客を舞台に上げて「こ~んに~ちは~!」合戦。「M-1」王者・錦鯉が語る“初独演会ツアー”

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「M-1グランプリ2021」(以下「M-1」)で、第17代王者となった錦鯉(長谷川雅紀・渡辺隆)が、念願だった全国独演会ツアーを開催する。大会史上最年長で栄冠を手にした二人らしく、ライブにも独特のこだわりが。相変わらずの忙しさながら、コロナに負けない底知れぬおじさんパワーの秘密など、近況を聞いてみた。(前編/後編の前編)

「僕らの一番、アツい世代を外せない」

「錦鯉独演会ツアー2023」は6月4日の東京・全電通労働会館を皮切りに、札幌、岡山、福岡、大阪と回る。4月15日に一般発売された東京公演のチケットは即完売となった(地方公演は5月13日から発売)。

「二人だけで全国を回る単独ライブは初めてです。ドキドキしている部分もありますが、楽しみだなという気持ちの方が上回っています」(長谷川)

「今までは『M-1』優勝を目指すためとか、漫才をやるうえで色々な自分たちへの縛りがありましたけど、今回はとにかくのびのびとやろう、そんな気持ちでいます」(渡辺)

 これまで錦鯉の単独ライブは2021年10月29日、東京・池袋で開催した独演会「こんにちは」のみ。同年暮れに「M-1」チャンピオンとなり、翌22年は超過密スケジュールとなったため、なかなか単独ライブを行うことができなかった。今年に入り、何とか全国ツアーをと、準備を進めてきたという。

 初の単独ライブツアーも注目なのだが、もう一つ。3歳未満の未就学児も、例えば親や親族といったチケット購入者と同伴なら無料入場可能、というシステムである。お笑いに限らず、ライブやコンサートでは、子供の入場を制限することが多いのだが。

「もし万が一、お子さんが泣いたりわめいたりしても、それ以上ににぎやかな人(長谷川)が横にいますので、全然、気になりません(笑)。何より、僕らの熱心なお客さんの年齢が3歳くらいのお子さんなので、一番、アツい世代を外すわけにはいきませんから」(渡辺)

 確かに、錦鯉がブレイクした後、SNSを中心に、長谷川の「こ~んに~ちは~!」を真似する子供や幼児の動画がたくさん投稿された。昨今のお笑いブームの中で、幼児に物真似された漫才師はいないだろう。こうした事情も考慮し、スタッフからも色々なアイデアが出る中で、未就学児でも観覧OKとなったという。

「今はお客さんも声を出していいですから。僕も客席におりて行って、お客さんの目の前でお互いに『こ~んに~ちは~!』合戦をしたいです。お子さんは疲れを知りませんが、こっちも負けられない。それこそ喉から血が出るまで、徹底的にやりたいです」(長谷川)

「なんだか“リアルなまはげ”だな。『悪い子はいないか』の代わりに『こ~んに~ちは~!』か(笑)」(渡辺)

「それこそ、観に来てくれたお子さんたちを全員、舞台に上げて、のりのりまさのり対決もいいね!」(長谷川)

「全員で『こ~んに~ちは~!』をやって、そのまま暗転するのもいいかもしれない」(渡辺)

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