「13万円のコース」が即完売…京都にオープンした「世界一予約が取れないレストラン」の料理と味は?

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ひとり13万円は妥当?

 13万円という値段について、峯岸氏は「“なるほど、それぐらいね”と思いました。今の海外の一流レストランの相場から言えば、特に高くありません。こんなものでしょう。むしろ旅費がかからない分、安いとさえ思います」と語る。

「『世界ベストレストラン50』で上位に入っているコペンハーゲンのレストランは、ノーマを含めて、ワインペアリングを合わせて10万円以下の店は無かったと思います。2022年の1位、つまり現在の世界一のレストランはコペンハーゲンにある『Geranium(ゼラニウム)』で、こちらにも昨年9月に行ってきましたが、ワインペアリングを含めてひとり11万円ほどでした。ニューヨークでも、ミシュラン三つ星クラスの店でワインペアリングにすれば、11~12万円ぐらいはしますよ。日本は全体的に安すぎるんです。普通の街の店も美味しいし、円安だから、海外から来た友人は“美味しいものがあまりにも安い。食べたいものがたくさんあるし、お腹がいっぱいになり過ぎて、頭がおかしくなりそうだ”とよく言っています(笑)」

ノーマ2度目の出店を「日本人は誇りに思うべき」

 峯岸氏は「ノーマは2015年の東京に続いて、日本でのポップアップは今回が2度目です。日本人はこのことを誇りに思った方がいいです」と指摘する。

「日本料理には、海外のトップシェフが学びたいと思うものがあるんです。また我々日本人の味覚も特別です。ニューヨークのミシュラン三つ星の店で“日本人なら予約の時に言ってくれ”と言われたことがあります。日本人が相手なら、ソルトバランスなど味付けをより細かくやるからと。日本の店は普段からそういう客に鍛えられているからでしょう、ミシュランの星の数が世界で最も多いのは日本です」

 ノーマ京都の13万円、5000席があっという間に売れたという驚くべき事象の背景には、日本人がいま一度認識すべき、日本食の素晴らしさがあった。

華川富士也(かがわ・ふじや)
ライター、構成作家、フォトグラファー。1970年生まれ。昨年、長く勤めた新聞社を退社し1年間子育てに専念。今年からフリーで活動。アイドル、洋楽、邦楽、建築、旅、町ネタ、昭和ネタなどを得意とする。過去にはシリーズ累計200万部以上売れた大ヒット書籍に立ち上げから関わりライターも務めた。

デイリー新潮編集部

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