とにかく明るい安村、なかやまきんに君… 第7世代とは逆を行く「裸一貫芸人」躍進の理由とは?
時代の逆を行く「継続は力なり」を示した姿勢 メンタル不調が相次ぐ芸能界で際立つ「変わらない」良さ
今の芸能界はかつてないほどにメンタル不調が相次いでいる。無理せず不調や休養を発信できるようになったのはいい変化だが、それだけ心身に負担が大きい業界であることも明らかになったともいえる。第一線で走り続けるため、常に進化し美しい姿を見せ続けなくてはいけないプレッシャーやストレスは、一般人には想像もつかない。
けれども安村さんらは、「変わらない」良さを改めて見せた人ではないだろうか。彼らとて、もっと売れたい、新ネタでブレークしたいという野心やプレッシャーはあるに違いない。けれどもバカにされようとも、持ちネタをひたむきにやり続ける姿には、それはそれですごみがある。
「変わらない」とはいえ、「変わらない」芸を見せるための努力を重ねているのは確かだ。きんに君は“筋肉留学”していたし、安村さんも痩せたりヘルニアになったりとなかなかに苦労している。けれどもそれをお涙頂戴のコンテンツにすることもないし、どこに行ってもちょっとB級な扱いをされるが、芸をやり切って盛り上げるカラッとした明るさは頼もしいほどである。
余計なことは語らず、違う分野に色気を出しすぎることもせず、ひとつの持ちネタを磨き続けるたくましさ。最小限の時間で最大の進化を見せることが称賛される時代に、「継続は力なり」を見せた芸人たちの躍進は、不安に押しつぶされそうな芸能人にもお茶の間にも「安心してください」と言ってくれたかのようである。きっと安村さんなら、海外でも笑いと安心感をふりまいてくれることだろう。