春の「深夜ドラマ」はなんと21本に 勝者は「ヤクザ」「不倫」「法廷」の日テレ系3作品

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ハイレベルで高視聴率「勝利の法廷式」

 志田未来(29)が主演する「勝利の法廷式」はすぐにプライム帯で放送できそうな作品。完成度が高い。深夜ドラマの中には制作費不足から出演者が極端に少なかったり、同じ場所での撮影がやたら多かったりする作品もあるが、この作品はそんな残念な部分が一切ない。

 中身も濃い。新しいタイプの法廷ドラマに仕上がっている。天才脚本家・黒澤仁(風間俊介・39)が法廷用のシナリオを書き、それを元子役の弁護士・神楽蘭(志田)が法廷で演じ、勝利を得る。

 小手先の話術で相手側をやり込めるのではなく、黒澤も神楽も事件の本質を見極めるために力を尽くす。心理学者が法廷戦術を考える米国の人気ドラマ「BULL /ブル 法廷を操る男」(2016年)を彷彿させるが、日本には類を見なかったリーガルドラマだ。

 レベルの高さは視聴率に反映している。4月27日は個人1.6%(世帯3.1%)。深夜ドラマでトップクラスであるばかりでなく、同日朝に放送された情報バラエティ「ラヴィット!」(TBS系、平日朝8時)の個人1.4%(世帯2.8%)より上。プライム帯のバラエティの中にも、この作品に視聴率でおよばない番組がある。

 しっかりした作品なら、深夜でも観てもらえる。日テレに限らず、各局の深夜ドラマ熱は高まるばかりに違いない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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