JGTO青木功会長に資産4千億円の副会長がしかけた“クーデター” 凄絶な対立の舞台裏【スクープその後】
解任決議と辞表
揺れるJGTO。
事ここに至って、青木会長は三木氏と刺し違える覚悟を決めた――と、ベテラン記者が続ける。
「これ以上、状況を放置すると組織の統制も取れないし、スポンサーからソッポを向かれてしまいます。そのため、昨年12月のシーズン最終戦の後、青木さんは谷原さんと話し合い、三木さんが敵視する上田専務理事に辞めてもらう、その代わりに三木さんにも辞めてもらうのはどうか、と提案しました。谷原さんは一度OKを出したものの、翌日になると三木さんの意向をくんでか、前言を撤回。その後は提案への返答を先延ばしし、2月の理事会近くとなってしまったんです。そこで、理事会は『現体制を批判し、選手会を扇動している』との理由で三木さんの解任決議を出す準備をしていましたが……」
理事会開催直前、三木氏は辞表を提出し、当日は欠席するという挙に出た。が、
「辞表には、副会長は辞めるとあったものの、理事職については何の言及もなかった。これでは状況はあまり変わらない。真意を確認するため辞表は一旦、事務局預かりになっています」
3月の社員総会を前に、混迷を深めるばかりとなっているのである。
三木氏が残り、青木会長が辞任したとなれば、冒頭のようなスポンサーの離反に加え、さらなる打撃も予想される。
「ABEMAツアーは、サイバーエージェントがスポンサーになったことをきっかけに、これまでの1試合2日制から3日制に拡張したことで、結果が世界ランキングに反映され、若手選手にとって大きな励みとなった。同社が引けば、賞金総額も減り、2日制に戻るかもしれません。また、青木さんの“顔”ゆえに、日本ツアーと米・欧のツアーの間にはパートナーシップが結ばれ、日本ツアーでの成績優秀者は欧、そして米ツアーに参加できるようになった。青木さんが辞めれば、それも白紙になるかも」
男子ゴルフツアーがより厳しい運営を迫られることは間違いなさそうである。
「最近は会っていませんが…」
当事者たちは何と言うか。
まずは三木氏に質すと、
「いや、青木さんとは対立なんかしていませんよ」
とシラを切る。
青木氏に批判的な指摘をしていたと聞きますが?
「いや、そんなことは全然ない。システムのことで意見は言いましたが、青木さんとは古い付き合いですから。ただ、最近は会っていませんが……」
では、理事や副会長を辞める意志は?
「いや、上田理事が辞めるから、僕にも辞めてくれという話が来ている。ですから、上田さんが辞めるのなら僕も辞めます」
確認したいが、上田専務理事が辞めれば……
「私も辞めますよ」
どうやら辞任する意向のようだが、続いて、谷原選手会長に同じことを尋ねると、
「三木さんが辞めるかどうかはわかりません。どういう事情があるにしろ、人事が頻繁に変わるのはよくない。執行部はうまくやってほしいというのが選手の意見です」
と言う。
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