JGTO青木功会長に資産4千億円の副会長がしかけた“クーデター” 凄絶な対立の舞台裏【スクープその後】

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あまりに威圧的なやり方

 こうしたゴタゴタに嫌気が差し、辞任した理事も2人いるという。そのうちの一人は取材拒否だったものの、もう一人、日本経済新聞社元社長の杉田亮毅氏に聞いてみると、

「辞めたのは事実ですよ」

 として、こう述べる。

「三木さんが副会長として理事に入るに当たっては、選手会をバックにして、それが受け入れられなければ、全理事を解任するぞ、とも言ってきました。しかし、それは脅迫というか、あまりに威圧的なやり方ですよね。会長も困っていましたよ。だから私は反対し、三木さんを副会長にするのなら、バランスを取るために専務理事の上田さんも副会長に上げるべきだ、と主張したんです。しかし、三木さんが猛反発し、上田さんも辞退したため、私の意見は通らなかったのですが、その時に考えた。このまま私がいると、毎回三木さんともめ、青木会長を悩ませる。そこで、私が身を引くことにしたんです」

 なるほど、クーデターと呼べるほどの突き上げがあったのは想像に難くない。

「三木さんはやり手ですが、これまで名誉ある公職に就いたことがほとんどなかった。そこでJGTOを牛耳ろうとしたんでしょう」

 とベテラン記者が続ける。

「もめ事が続き、青木さんも心身が疲弊してしまい、昨年の夏には“もう辞める”と言い出すほど憔悴していました。これを知り、スポンサーの間からは心配の声が大きくなった。中でも『セガサミーカップ』を主催する里見治(はじめ)・セガサミーHD会長は心を痛め、旧知の仲である三木さんに“青木さんに頭を下げるように”と再三忠告しましたが、三木さんはそれを拒否した」

スポンサーを怒らせた谷原氏の行動

 さらに、だ。

 スポンサーの怒りをより大きくさせる出来事があったという。

「谷原さんの言動です。彼は選手会長でありながら、昨季、LIVというツアーに出場するため、国内ツアーを複数回、欠場しました。LIVは、サウジアラビアの政府系ファンドが出資しているプロツアーで、出場するだけで最下位でも賞金が2千万円近く出る。日本のツアーでは優勝賞金レベルの額です。それだけのうまみがあるから出たのでしょうが、しかし、スポンサーが、選手会長が日本のツアーをないがしろにした、バカにするにもほどがある、と思うのはある意味、当然の話。しかも選手会主催の試合も欠場したので、選手の間からも批判が出ていました」(同)

 実際、前出の石原氏は、

「こんなことをしていては、ツアーは崩壊します」

 と案じ、岸本社長も、

「選手の皆様には国内のツアーを盛り上げてほしいですよね」

 と声をそろえるのである。

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