JGTO青木功会長に資産4千億円の副会長がしかけた“クーデター” 凄絶な対立の舞台裏【スクープその後】

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“三木さんが辞めないなら自分が辞める”

 日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、1999年に設立され、男子ゴルフのプロツアーを統括している一般社団法人だ。

 2016年、その会長に青木功氏が就き、現在、4期目の任期に入っている。青木氏といえば、日本ツアーで歴代2位の51勝、海外ツアーでは日本人として初めて優勝を飾った、男子ゴルフ界のスターだ。

「JGTOでは昨年来、会長の青木さんと、副会長の『ABCマート』創業者・三木(正浩)さん(67)の対立が深まっていました」

 と解説するのは、JGTOの内情に詳しい、さるベテランゴルフ記者である。

「二人の関係は今やもう修復不可能で、人を介さないと会話ができないほど。青木さんは周囲に“三木さんとはもう一緒にできない”“三木さんが辞めないなら自分が辞める”とこぼしています」

 この2月22日、JGTOで理事会が開催された。

「理事会はそこで三木さんの解任決議案を出す予定でした。しかし、三木さんは欠席した」

 一方で、

「3月22日にJGTOの社員総会が開かれる予定です。JGTOは定款上、役員の選任、解任など重要事項については、総会の決議対象となっていますが、社員のほとんどは現役選手。彼らを束ねるのは選手会の会長で、三木さんと非常に近しい谷原秀人プロです。総会の決議は体育会系の習いで事実上、選手会長に判断が一任されるケースがほとんどです。その時点で三木さん辞任の道筋がつけられず、続投が決まれば、青木さんは辞める腹積もりをしています」

 80歳のレジェンドに緊急事態が起きているというのである。

現体制を批判

 一体、何があったのか。

「もともと青木さんは、周囲に泣きつかれて会長に就いたんです」

 といきさつをひもとくのは、前出のベテラン記者である。

「当時、女子ツアーの人気が高まる一方で、男子ツアーはジリ貧状態。このままではツアー数が減り、生活が立ち行かなくなりそうな選手も出てきた。そんな中、切り札として三顧の礼で担がれたのが、国内外に顔の広い青木さんでした」

 JGTOの会長は年間20試合以上に及ぶすべてのツアーに同行するなど激務であるが、青木氏は依頼を受諾。任期途中、新型コロナウイルス流行による混乱もあったが、機構はおおむね、順調な歩みを続けてきたという。

 ところが、だ。

 風向きが変わったのは、昨年1月、選手会の会長に谷原氏が就任してからのことだった。谷原プロは日本ツアー通算17勝で、国内メジャーも3度獲った実力派ゴルファーだが、

「谷原さんははじめから理事会にファイティングポーズを取り、“男子ツアーが不人気である原因は現体制にある”と批判した。中でも、専務理事の上田(昌孝)さんら青木会長と近い理事の責任追及と退陣要求をし、その一方で、三木さんを理事に入れ、さらに副会長に就任させるようにと求めたんです」(同)

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