JGTO青木功会長に資産4千億円の副会長がしかけた“クーデター” 凄絶な対立の舞台裏【スクープその後】
2016年から日本ゴルフツアー機構(JGTO)の会長を務める、青木功氏(80)。就任以来、男子ゴルフ界の立て直しを行ってきた“救世主”ともいえる存在だが、副会長を務める「ABCマート」創業者・三木正浩氏によるクーデターが起こっていた。青木会長は一時は周囲に辞任まで示唆していたというが、結局、三木氏が副会長、理事を辞任したことで、任期満了までの1年間は続投するという結末に。いま改めて、騒動の舞台裏について振り返る。
(以下、「週刊新潮」 2023年3月9日号を再掲する。日付や年齢、肩書などは当時のまま)
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「この間、青木会長と電話で話していたら“僕はみんなに支えられながらやってきたけど、もうこれ以上は無理だよ……”と泣き出してしまったんです。“世界の青木が何言ってんのよ”と励ましたんですが、ご本人は相当心労がたまっているんだろうと思いますよ」
まずはこう打ち明けるのは、「平和」会長の石原昌幸氏である。遊技機メーカー「平和」は近年、ゴルフ事業にも乗り出し、ゴルフ場運営のPGMを傘下に収める。ツアー戦「HEIWA・PGMチャンピオンシップ」も開催する、男子ゴルフ界の有力スポンサーだ。
「青木会長は、日本人の男子選手で初めて世界ゴルフ殿堂入りをしたレジェンドですよね。スポンサーとの付き合いも深く、青木さんが会長だからこそ協賛を続けている企業もあるんですよ。もちろん私もその一人。その青木さんが辞める辞めないの騒ぎになっている。本当に辞めてしまったら、撤退するスポンサーが相次ぐと思いますよ。いよいよ男子ゴルフ界の危機です」
「青木さんが辞めたら、スポンサーから降りる」
続いてもう一人、
「会長に就任して以来、ツアー数も賞金総額も増加している。青木さんは男子ゴルフ界の功労者なんです」
と現状を憂えるのは、ゴルフ用品メーカー「エリートグリップ」社の岸本善人社長。同社は下部ツアーであるABEMAツアーの一戦「エリートグリップチャレンジ」を13年間開催する、これもまた、有力スポンサーの一つだ。
「その青木さんがもし降りることになったら大変ですよ。ABEMAツアー自体、サイバーエージェントの藤田(晋)社長が“青木さんを応援したい”とのことでスポンサーに付いたんです。会長あってのツアー戦ですから、もし青木さんが辞めたら、藤田さんもスポンサーから降りると言っています。それは弊社も同じですし、下部ツアーを主催する全14社のうち10社も同じ意向と聞いていますよ。そうしたらツアーの開催そのものが危ぶまれます」
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