選手層は薄く、球団は補強に消極的…最下位の日ハム「新庄監督」は苦境を乗り越えられるか

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「お金出して!」

「優勝しか狙わない!」と言ってシーズンインした北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督(51)が苦しんでいる。

 4月を終えた時点での成績は9勝16敗、リーグ最下位である。まだ順位を気にする時期ではないが、パ・リーグは「1ゲーム差以内」にオリックス、ロッテ、ソフトバンク、西武がひしめく混戦で、“蚊帳の外”な感は否めない。

 今季から新本拠地としてお披露目となったエスコンフィールドHOKKAIDOも、3〜4月の週末9試合の平均観客動員数は2万6047人。最高は3月30日の開幕戦で3万1092人。「収容人数は3万5000人、座席数約3万席」だが、GW初日の4月29日も満員にはならず。新庄監督が負けを重ねるにつれ、空席も目立ち始めている。

「エスコンは年間入場者数300万人を目標としています。しかし、このままだと半分にも届きません。多目的施設なので野球観戦者以外の入場者も数えての目標数値だと思われますが、メインはあくまでも野球場です」(地元メディア関係者)

 やはり日ハムが勝ち続けなければ、ボールパーク・エスコンフィールドも盛り上がらないのだ。しかし、新庄監督の采配に“迷い”も出始めている。

「4月20日の試合前、新庄監督が小村勝・球団社長兼オーナー代行(57)に緊急補強をお願いしたようです。2人で長く話し込んでいたので、『どんな話しを?』と記者団が質問したら、新庄監督が『お金出して、お金増やしてください。お願いしますって』と答えたんです。6番バッターと先発ピッチャーを1人ずつほしいとも話していました」(スポーツ紙記者)

 気持ちは分かる。先発陣はコディ・ポンセ(29)とルーキーの金村尚真(22)が故障で離脱し、ローテーション投手の頭数が足らない状態。チームから唯一、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)メンバー入りした伊藤大海(25)は4度先発して勝ち星ナシで、5月2日にようやく初勝利。クローザーを務める石川直也(26)も「左内転筋付着部肉離れ」で一軍登録を抹消された。野手陣では、打率2割8分8厘、本塁打1、打点9とチームを牽引してきた清宮幸太郎(23)が「左腹斜筋損傷」で二軍落ちしてしまった。

「清宮は長期化しそうです。脇腹は一度痛めるとクセになるので、しっかりと治さなければなりません」(同前)

 清宮が故障したのは新庄監督が球団社長に直談判した翌日のこと。選手層の薄いチームが主砲と抑えの「投打の要」を失い、先発陣は“火の車”となれば、緊急補強は必須。しかし、現時点で「日ハムがトレードを持ち掛けてきた」といった情報は聞かれない。

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