山本由伸や今永昇太も秒読み!? 主力のメジャー移籍で「危ない球団」「安泰な球団」

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各球団の“エース格”がメジャー流出も

 侍ジャパンが、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝を果たしてから1カ月以上が経過した。メジャーリーグのシーズン開幕後、大谷翔平(エンゼルス)やダルビッシュ有(パドレス)、吉田正尚(レッドソックス)が活躍を続けているほか、本大会には出場しなかった菊池雄星(ブルージェイズ)や千賀滉大(メッツ)、鈴木誠也(カブス)も順調なスタートを切り、日本人選手の活躍が目立つ。WBC優勝と彼らの存在もあって、オフには、さらに海を渡る選手が出てきそうだ。【西尾典文/野球ライター】

 まず、投手で名前が挙がるのが、山本由伸(オリックス)、高橋光成(西武)、今永昇太(DeNA)、上沢直之(日本ハム)の4人だ。

 史上初の2年連続で「投手4冠」に輝いた山本は、開幕から3試合で1勝2敗と黒星が先行したものの、防御率1点台とさすがの数字を記録している。昨季12勝を挙げた高橋は、その山本に投げ勝ち、3連勝をマークして、防御率は0点台と“圧巻の投球”を続けている。

 一方、今永は今季初登板となった4月21日の広島戦では8回を無失点の好投を見せている。一方、上沢は防御率が5点台だが、これは高橋と投げ合った4月15日の西武戦の9失点(自責点8)が響いたもので、それ以外の3試合はしっかり試合を作っている(※山本、高橋、今永の成績は4月25日試合終了時)。

 4人とも海外フリー・エージェント(FA)権の取得はまだ先の話だが、近年は大半の球団が、それ以前にポスティング・システムでの移籍を認めるケースが多い。このまま順調に今季の成績を残すことができれば、揃って来季はメジャーでプレーするケースが想定される。

 ただ、そうなると気になる点は、エース格である彼らが抜けた後のチームのことである。果たして各球団、“メジャー流出”への備えはできているのだろうか。

若手投手の“充実度”で群を抜くオリックス

 最も不安が少ないチームは、オリックスだろう。山本が抜ける穴は、他の3人と比べても大きいように思える。だが、高卒3年目の山下舜平大が、エース・山本を上回るようなスケールの快投を続けている。

 4月23日の西武戦登板後に一度調整のために登録抹消となっているものの、ここまで3試合に登板して2勝0敗、防御率0.52、奪三振率12.98と驚異的な数字をマークしている(成績は4月25日試合終了時)。他にも、山岡泰輔や宮城大弥、田嶋大樹ら、実績がある先発が揃い、他にもブレイクしそうな選手が多く控えている。若手投手の“充実度”は12球団でもトップといえる。

「オリックスのピッチャーは、プロ入り後、大幅にスピードがアップするケースが非常に多いです。山下舜平大はもちろんですが、WBCにも選ばれた山崎颯一郎や、同じリリーフで活躍する本田仁海も、プロ入りした時とは見違えるようなボールを投げています。もちろん、良い素材を獲得していることもありますが、中嶋聡監督が就任してから、トレーナーの権限が強くなって、それで上手くいっているという話を聞きます。(オリックスの投手陣には)左腕が少ないかなと思っていましたが、ドラフト1位で入った(ルーキーで左腕の)曽谷龍平もかなり良いボールを投げています。もし、山本がいなくなっても、チームとしての投手成績はそこまで落ちることはなさそうですね」(他球団の編成担当者)

 前述したように山本は、4月中は本領発揮とはいかなかったが、それでもチームは首位争いを演じている。また、山本と宮城がWBCの影響で出遅れたことがあるが、開幕から9試合全て違う投手を先発で起用しており、今季のみならず、先を見据えていることが感じられる。

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