なぜロシアは制裁に屈しなかった? 世界の基軸通貨は米ドルから人民元に? 中国が世界経済を支配する「最悪のシナリオ」

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「ものづくり」を戦略的に展開

 さらに、グローバルメンテナンスという視点も大きな意味を持つ。日本独自の製品や製造装置、あるいは製造ラインを輸出するだけでなく、現地での維持管理や修理を担うことだ。時には契約が数十年という長期にわたるケースもあり得るので、リユースやリサイクルといったSDGs思想にもつながる。

 日本が誇る高度な技術はいまも健在だ。世界が必要とする「ものづくり」を、国を挙げて戦略的に展開する。これこそが、日本を大国の思惑に翻弄されない強くたくましい国家に生まれ変わらせる道である。

真田幸光(さなだゆきみつ)
愛知淑徳大学教授。1957年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒。東京銀行、ドイツ・ドレスナー銀行を経て、98年に愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年、同大教授、04年よりビジネス学部・研究科教授。『ドル崩壊、アジア戦争も探る英国王室とハプスブルク家』など著書多数。戦国武将の真田家(松代藩)12代当主を曾祖父に持つ。

週刊新潮 2023年4月20日号掲載

特別読物「世界は『中露』に敗北する!? 『ドル基軸』に対抗 習近平『人民元』戦略の最悪シナリオ」より

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