2軍落ちの巨人開幕投手「ビーディ」 良くないオーラを出す感情の問題とは【柴田勲のセブンアイズ】

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意識をおへそより下へ

 現在の巨人、チーム本塁打23本はリーグ1位、打率は.238で最下位の中日と並んでいる。

 投手陣は先発防御率4.26、リリーフ同3.35はともにリーグワーストだ。

 それなりにヒットは出てもつながらない試合が多い。投手陣は打たれ過ぎだ。でも横川凱が初勝利を挙げ、また直江大輔、田中千晴ら若手が頑張っているいま、打線にもっと奮起してもらいたい。

 何度でも強調するが、巨人の打者は甘い球を簡単に見逃して、難しい球に手を出すケースが実に多い。

 前回も記したが、秋広優人はボール球に手を出さないし、相手投手の誘い球にも反応しない。ボール球を追いかけない。変なスイングはない。基本に忠実だ。中田もそうで、この二人が一番だ。

 30日の広島戦、ドリュー・アンダーソンに対して真ん中の真っすぐを見逃して、内角高めのボールを振っていた。結果として5回まで持たした。一時期調子が良かったオコエ瑠偉もボール球に手を出し始めた。

 阪神・伊藤将司、ヤクルト・高橋奎二を苦手にしているが、難しい球、ボール球に手を出して甘い球を見逃す。いわゆる、「目付け」が悪い。苦手意識という感情のなせることなのか。もっと落ち着くべきだ。

 ヤクルトの主砲・村上宗隆が不振に陥っている。初球の甘い球を見逃す。バットが振れていない。出てこない。

 考え過ぎて打席に立っているのではないか。初心に返ることだ。力を抜いて楽にした方がいい。よく言われる。こんな時はおへそより下に意識を持っていく。そうすると上体の力が抜ける。

 WBCの時からおかしかった。でも、岡本もそうだが村上はモノが違う。基本に戻ってこそ活路は開ける。ヤクルト戦の解説では村上にも注目したい。(成績は1日現在)

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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