創価学会に激震…新聞は報じない統一地方選で公明党が過去最多の落選者を出した本当の原因

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 4月に行われた第20回統一地方選挙で、公明党公認の候補者が12人も落選したことが話題になっている。

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 4月9日に投票が行われた統一地方選の前半で、公明党は41道府県議選に170人、17政令市議選に172人、計342人を擁立。愛知県議選と大阪市議選の2人が落選し、340人が当選した。

 4月23日の後半戦では、287市議選に893人、東京の21区議選に152人、140町村議選に168人、計1213人を擁立。このうち10人が落選し、1203人が当選した。

 締めて1555人の候補者のうち1543人が当選。当選率は実に99・2%!

 ところが、全国紙のタイトルにはこんな言葉が並ぶのだ。

●公明党が練馬区議選で異例の4人落選…当選ライン読み誤り、定評の「票の割り振り」失敗か(読売新聞:2023年4月24日)

●公明、落選12人 過去最多 統一地方選(朝日新聞:4月25日)

●統一選後半戦 苦しんだ公明 東京・練馬など5区議選8人落選 票減傾向止まらず(産経新聞:4月26日)

●公明党、崩れた無敗神話 統一地方選挙で最多12人落選 自公の選挙協力にひずみ(日本経済新聞:4月27日)

 わずか0・8%の落選で大事件のように扱われている。

 ご存知のように、公明党の支持母体は創価学会だ。信者たちは“選挙をやれば功徳になる”という理由から、親戚や知り合いに電話をし、公明党候補への投票を呼びかける。その結束力の強さは有名だ。

 しかし新聞各紙は、信者たちの高齢化による結束力の弱体化を指摘する。実際のところはどうなのだろう。公明党の元国会議員に話を聞いた。

敵陣にスパイも

「確かに信者の高齢化は、今回の統一地方選での敗因の一つだと思います。いわゆる2世、3世の信者は、それほど選挙に熱心ではありませんからね。ただ、昨年の安倍晋三元首相の暗殺によって統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題が大きく報じられ、そこから政治と宗教の問題に発展。その影響を受けた側面もあると思います」

 以前から公明党は、政教分離の問題に関して「宗教団体が政治活動を行うことは憲法上保されている」とかわしてきた。

「そうはいっても、これまで問題があったのは事実です。お年寄りや障害のある方に付き添う振りをして投票所に連れて行き、公明党候補者に投票させて投票干渉罪に問われたこともありましたしね。公明党の候補者が次点で負けた時のために、学生部の若い信者を対立候補の選挙事務所に潜り込ませることも以前にはありました。次点で負けたのなら、ギリギリで当選した候補者を当選無効にすれば、繰り上げ当選になる。そのための情報収集をさせるのです」

 そんなことが可能なのだろうか。

「実際、成功例があります。とある市議選で、対立候補が選挙区の住民になって3カ月に満たないと指摘した結果、当選無効になり、次点の公明党候補者が繰り上げ当選したことがありました。国政選挙でも、当選議員の秘書が日当の買収容疑で逮捕されたために辞職。次点だった公明党の候補が繰り上げ当選しました。いずれも対立候補の選挙事務所に情報収集係を潜り込ませたことが功を奏したと言われています」

 そのような組織なので、12人の候補者が落選しただけで大ニュースになるのだ。

「実は今回の統一選では、前回よりも候補者を減らしているのです。その上で12人も落選したということが大問題なのです」

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