安倍元首相銃撃から1年が近づき大台100人に 後継派閥会長人事はどうなるか?
よみがえる「塩谷派」の幻
「文面を見る限り、森氏が“萩生田氏推し”だということがわかりますね(笑)」(同)
森氏の考えは清和会内では天の声とされ、このまま行けば萩生田氏で決まりかというと,そう簡単な話ではなさそうだ。
「西村氏も黙っていないでしょうが、これに付いてくる人がほとんどいない(笑)。一方で世耕氏も黙っていませんが、西村氏とは事情が違ってそれなりに付いてくるメンバーがいますね」(同)
昨年10月、塩谷立元文科相を会長とする「塩谷派」の流れが固まりかけていた。と同時に「5人衆」のうち松野、西村、萩生田の3氏を会長代理に据える案も水面化で進んでいたとされる。
「要するに世耕氏の名前はなく外された格好でした。これに世耕氏を支える参院側から反発が出て、世耕氏が派閥所属の参院議員全38人から連判状を取りまとめるに至りました」(同)
塩谷氏も抵抗したが、最後は森氏の裁定で「塩谷派」は幻に終わることになった。
「塩谷氏の抵抗と言っても、森氏に頭を下げてお願いするだけなので、なかなかそれでは苦境を打開できないですよね」(同)
萩生田氏が有力だが
話をまとめると、安倍元首相死去1年を機にまとまりそうな後継の派閥会長人事は萩生田氏が有力だが、これに待ったをかけそうなのが世耕氏だということだろうか。
「そうですね。世耕氏を支持する勢力は去年の連判状の際にも、塩谷・世耕、あるいは萩生田・世耕の共同代表案を求めていたとされています。今回はこれを踏襲するように、萩生田・世耕の共同代表案を提案する可能性はありますね。森氏からは“参院のドンを目指せ”と言われましたが、本人は衆院に鞍替えして首相・総裁を目指すことを諦めていません。その一里塚として、単独とは言わないまでも派閥の共同代表のポストは譲り難いところでしょう」(同)
もっとも萩生田氏は直近、「皆さんで納得できる人を選んでいかなければならない」と発言しており、あくまでも派内融和が大前提のようだ。
衆参補選で初当選した議員ら4人が入会し、所属議員が大台100人に達した党内最大派閥。取り沙汰された解散総選挙が遠のいた印象がある中で、永田町で俄然注目を浴びる「人事」と言えるだろう。
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