安倍元首相銃撃から1年が近づき大台100人に 後継派閥会長人事はどうなるか?

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一周忌をメドにしたい

 4月15日、岸田文雄首相が演説のために訪れた和歌山市内の漁港で、爆発物を投げつけられた事件で、目撃者のみならず国民の脳裏に少なからずよぎったのは「安倍晋三元首相の銃撃」だったことだろう。安倍元首相の死去から7月で1年。衆参補選を経て、所属議員が大台100人に達した。いよいよ、清和政策研究会(安倍派)の後継会長人事をまとめる時期が近づいてきている。

「早いもので安倍元首相の銃撃から10ヶ月が経過しようとしています。1年を迎える前に会長を決めなければという動きが活発化し、収斂(しゅうれん)されていくのではないかと見ています」

 と、政治部デスク。

 実際、派閥リーダーの1人である萩生田光一自民党政調会長は後継の会長について、「一周忌をメドにしたい」と述べていた。

「安倍元首相の喪に服すという意味もありますが、どちらかというと派閥トップ候補が“帯に短し襷(たすき)に長し”で決め手に欠け、リーダーが確定しない状況が続いてきました」(同)

「5人衆」として名前が上がってきたのは、松野博一官房長官、世耕弘成参院幹事長、高木毅国対委員長、西村康稔経産相、そして萩生田氏の5人だ。

実質的オーナーの言葉

 リーダー確定のひとつのヒントになるのが、清和会の実質的オーナーとされる森喜朗元首相の発言だ。

 2月20日、森氏の地元・石川県をベースとする北國新聞に森氏のインタビューが掲載された。森氏は清和会の会長候補に言及し、こんなことを語っている。

 松野氏については「今は自分のことで精いっぱい。まずは官房長官としてしっかり存在感を」、高木氏は「5人組の1人だが、総理総裁を狙っているわけではない」とのこと。松野氏が官房長官を離れる可能性はゼロではないものの、この2人は会長候補からは消えたと見ていいだろう。

 西村氏に関しては「一番自信を持っている」が、「秘書がよく辞める」「元経産省の能吏だけに指示が細かいんでしょう」と評価。世耕氏に対しては「頭がいいし、弁も立つ。近大の理事長で、資金力も豊富」「参院のドンと言われた“第2の青木幹雄(元官房長官)”に」とのこと。萩生田氏は、「力を付けてきた。大したもんです。総合力は最も高い」とした。

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