武藤敬司は「プロレス界のGW男」 アントニオ猪木がグレート・ムタに翻弄された日
猪木が「1、2、3、ダー!」をやらなかった試合
アントニオ猪木が、「1、2、3、ダー!」をやらなかった日がある。それも、5万5000人を動員した大会場のメインイベントで、シングル戦で勝利したにもかかわらず。
それは1994年5月1日、いわば、ゴールデンウィーク真っ只中の出来事だった。
90年代、ゴールデンウィーク(以下GW)は、プロレス団体にとってかき入れ時だった。大仁田厚を始祖とするFMWは、1993年から96年まで川崎球場大会を開催(いずれも日程は5月5日)。全日本プロレスは98、99年と東京ドーム大会を敢行(5月1日、2日)。...