タイで広まる「和牛」 和牛ヤーンに和牛ガパオ…“プレミア感”で中間層の人気を集める

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 タイ、とくにバンコクの中間層の間で和牛人気が高まっている。

 3月、バンコクを訪ねた。ある仕事の打ちあげがあり、僕も参加した。タイ人6人と日本人4人が、BTSという高架電車のオンヌット駅に近いCHARM BISTROという店に集まった。高級店というわけではない。メニューを眺めた。

「ナムトックヌア ワギュウ ヤーン」。「GRILLED WAGYU SIRLOIN SPICY SALAD」という英語も添えられていた。料金は189バーツ、約735円。

「ワギュウ?」

 和牛である。タイでもワギュウと呼ばれている。

 ナムトックヌアというのは、スライスした牛肉に香辛料、野菜やハーブ、煎り米粉などを加え、サラダ風に仕あげた東北タイ料理だ。ヤーンは炙る。つまり「サラダ風炙り和牛」になる。ナムトックヌアは東北タイ料理店では定番の庶民料理だ。その牛肉が和牛に……。

 オーナーのプラパイティップさんに訊いてみた。

「私は和食が大好き。和食といえば真っ先に和牛が思い浮かびます。本当においしい。メニューに和牛を加えようと思ったけど、日本からの輸入和牛は高すぎてタイ人には手が届かない。ところが日本と同じような飼育法のタイの和牛があると聞いてとり入れました。日本からの輸入和牛とは比べものになりませんが、なかなかおいしい料理に仕あがりました。うちの人気料理ですよ」

 注文してみた。一般的なナムトックヌアに比べると、肉がはるかに軟らかい。牛肉の味がより際だつような気がする。

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