阪神が禁止した「侮辱的な替え歌」 巨人への痛烈な批判が並ぶ歌詞の内容は?

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〈観戦されるファンの皆様におかれましては、「選手を誹謗中傷するようなヤジ」や「侮辱的な替え歌」は絶対にお止めいただきますようお願いいたします〉

 これは今月14日、阪神公式サイトが発した警告である。翌日、中日も同趣旨の警告を行った。

 阪神や中日のファンに「誹謗中傷ヤジ」を飛ばされるのは、もっぱら巨人である。真っ先に思い浮かぶのは、昨年女性スキャンダルに見舞われた坂本勇人に向けた四文字ワードだが、過去に反社との関係が報じられた原辰徳監督やオコエ瑠偉、女性問題の阿部慎之助コーチ、暴力事件を起こした大久保博元コーチや中田翔ら脛に傷持つ面々がベンチを彩るだけに、誰へのどんなヤジを難じているのやら。

 それより気になるのが、「侮辱的な替え歌」である。いったい何なのか?

「球団は明示していませんが、巨人の球団歌『闘魂こめて』の替え歌『商魂こめて』のことでしょう」

 とスポーツ紙デスクが苦笑する。

なぜ今さら禁止に?

「商魂」は、おおむねこんな歌詞で歌われている。

〈商魂こめて 大金で 球は飛ぶ飛ぶ ドームの風で おおジャイアンツ 八百長プレイでグラウンドを 汚すプレイの恥ずかしさ ジャイアンツ ジャイアンツ 死ね死ね くたばれ 巨人軍〉

 痛烈な皮肉が並ぶが、おそらく最後の「死ね」が“アウト”なのだろう。しかも、このフレーズがことさら大声で叫ばれる。

 けれども、

「そもそも野球は戦争がモチーフの競技ですからね。ベースは基地の意で、アウトは一死、二死、ダブルプレーは併殺と訳される。野球の本義は敵を殺すことなんです」

 この替え歌、かなり前から存在する。それがなぜ今さら“禁止”なのか。

「ご時世といえばそれまでですが、コロナ禍にできなかった声出し応援が解禁されたスタンドでは、積年の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように『商魂』が未だかつてない大音声で歌われているんです。一方、WBCブームの余禄(よろく)で女性や子供の観客が増えていて、球団としては、新しいファンをつなぎ止めるためにも、オヤジどもの汚いヤジを封じ込めたいわけ」

週刊新潮 2023年4月27日号掲載

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