53歳で「世界一周ヨットレース」優勝 多田雄幸はなぜ世界中にファンを生んだ?(小林信也)

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 神奈川県三浦市の福寿寺境内に、西堀栄三郎、植村直己、多田雄幸、三人の顕彰碑がある。

 西堀は第1次南極観測隊の副隊長兼越冬隊長。1956年、日本登山隊が初の8千メートル級登山(マナスル登頂)に成功した際も中心的な役割を果たした登山家だ。

 植村直己は70年、日本人で初めて世界最高峰エベレストに登頂。世界初の「五大陸最高峰登頂」も成し遂げた。78年には犬ゾリ単独行で北極点到達に成功。これも世界初の快挙だった。

 多田雄幸は二人より知名度は低いかもしれない。...

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