後藤は給料激減で「需要がなくなったのかな」 苦境に陥る「四千頭身」の今後

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「第七世代ブーム」の中心的存在

 都築拓紀、後藤拓実、石橋遼大の3人から成るお笑いトリオ・四千頭身は、数年前の「第七世代ブーム」のときに颯爽と世に出てきた。

 彼らの出世作となったのは「頭取りゲーム」というネタだ。しりとりの代わりに最初の文字が同じ単語をつなぐ遊びをするというもの。最初の文字が同じ単語を3人で順番に言っていくだけの不思議な状況から、巧みな構成で笑いを生み出していく。

 また、彼らは漫才の枠組みそのものを壊すような試みを行うことがある。YouTubeの動画のように漫才の途中で「広告」が流れるという設定のネタもあった。

 後藤はネタ作りを担当するトリオの頭脳と言える存在だが、3人の中で最も声が小さい。場を制圧するような大声の持ち主が多いツッコミ芸人の中では異色の存在だ。能天気で明るい都築、物静かなイケメンの石橋も、それぞれつかみどころのないキャラクターの持ち主だった。

 3~4年前のお笑い界では、20代前後の若い芸人が次々に出てきて空前の「第七世代ブーム」が起こっていた。四千頭身もそのブームの中心的な存在として数多くの番組に出演した。

 明るい都築と物静かな石橋のボケに対して、後藤がボソボソと小声でツッコむ「脱力系漫才」を演じていた彼らは、いかにも“今どきの若者”然としたキャラクターを持っていた。そこが女性や同世代の若者から熱狂的に支持された理由であり、上の世代の大人にはあまりウケが良くなかった理由でもある。

「需要がなくなったのかな」

 四千頭身の後藤は、たくさんテレビに出るようになってから、猛烈に成金アピールを始めた。高級タワーマンションに住み、高級車を乗り回し、“成功者”として優雅な生活をしていることを誇らしげに語った。そういう姿を見せることで、後輩芸人に夢を与えたいという思いがあったのだという。

 成功して富を得た若者が露骨に金持ち自慢をするというのは、YouTuberの世界ではそれほど珍しいことではないかもしれない。しかし、お笑いの世界では後藤のやり方はすさまじく不評だった。

 バラエティ番組でその話をしても先輩芸人や共演者からの反応も良くないし、あまり盛り上がらない。その上、もともと四千頭身の笑いを理解できない視聴者からはますます反感を買うことになった。のちに後藤自身も「全部間違ってました」と振り返っている。

 そして、第七世代ブームは終わり、四千頭身をテレビで見かける機会も減っていった。そんな中で、ブーム終焉を改めて印象づける出来事があった。3月21日放送の「ぽかぽか」(フジテレビ系)で、後藤が「先月の給料がついに家賃を下回りました」と告白したのである。交際中の彼女との同棲を解消して、高級マンションを引き払い、埼玉の実家に引っ越すとも語っていた。

 そんな事態に陥った理由を問われると、後藤は「そうですね、需要がなくなったのかな」とはっきり答えていた。

 第七世代ブームの渦中では、四千頭身の需要の大半は「いま話題の人たち」というところにあった。だからこそ、ブームが過ぎ去ると、本人たちの立場も一気に危ういものになってしまったのだろう。

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