「根底にあるのはスタッフとの信頼関係」有田哲平が語る“しゃべくり”“脱力タイムズ”に活きるプロレスでの学び

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前編【芸能界きってのプロレス好き 有田哲平が“あえて”レスラーと親しくしないワケ「むかし長州さんとの対談で…」】からつづく

 芸能界随一のプロレス好きであるくりぃむしちゅーの有田哲平。その初のYouTubeチャンネルとして2022年2月にスタートしたのが「有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】」だ。現在チャンネル登録者数20万人を超え、4月28日には玄光社から公式ガイドブックも発売される。有田はこのYouTube以外にもAmazon Musicでのポッドキャスト、ABEMAでの新番組などテレビ以外での活動も目立っている。いったいなぜ今、新メディアでの取り組みが目立つのか。さらに芸能生活30年を超え気づいた「しゃべり」へのこだわりとは? インタビュー後編ではプロレスを飛び越え、お笑い論、メディア論についても語った。

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――「オマエ有田だろ!!」は有田さん初のYouTubeチャンネルですが、そもそもYouTubeはよく見ていたんですか?

 僕は洋楽がすごく好きなので、子供の頃に見たPVを探したり、YouTube自体が今よりも画面サイズが小さい頃から見ていました。その後にいわゆるYouTuberの方が出てきて、YouTubeで動画や番組を制作するようになった。ただその時に、そういう動画や番組を見まくろうということはなかったです。

 地方にご飯を食べに行こうと思う時に「この店がいいよ」と言われた店を検索してみたら、その店のレポートが出てきたり、あそこの洋服屋に行ってみようかなと思ったら、その店のレポートを探してみたり。YouTubeが面白い、面白くないではなく、すごく便利なツールという印象がずっとあったんですよね。

――実際にYouTubeチャンネルをやってみて、面白さはどこに感じていますか。

 何が一番嬉しいかというと、僕のチャンネルを見たことで「プロレスをもう一度見始めました」とか「あのプロレス団体は知らなかったですけど、行ってみました」と、プロレスファンの行動を促せているのが嬉しいですね。スターダムは結構行っていただいているみたいで、それは何より嬉しいですね。

 一方、番組自体のファンというか、今回のガイドブック本で対談させていただいた安田顕さんのように「あなたのチャンネルを見ているだけでいいんです。試合を見なくていいです。あなたが話すプロレスが好きなんです」と言っていただくことも多くて。芸人冥利に尽きるし、めちゃくちゃ嬉しいですけど、それは本来の趣旨とは違うので(苦笑)。

 話している内容も決して大袈裟に喋っているわけではありませんし、面白くない試合を面白いと言っているわけではない。このチャンネルではそういう営業的なことはしたくないので。やっぱり根底にあるのは、プロレスファンを増やしたい、なんです。

――有田さんはこの番組以外にもAmazon Musicでポッドキャスト番組「有田脳」、ABEMAでは「有田哲平の引退TV」とテレビ以外のメディアに出られることが増えています。なにかきっかけがあったのでしょうか。

 よく「精力的だね」とか言われるんですが、本当にこれはタイミングだったと思うんです。テレビも好きですし、ラジオも好きですし、新しいメディアに関しても、そっちの方が見やすいんだったら、そっちでやりたいと思うことも全然あります。

 これまでいろんな方との出会いがある中で、50歳を過ぎて、子供もできて、コロナがあった時に「これまでいろんな約束をしてきたけれど、実現できていないことがまだあったな」と思って。いろんなスタッフに「やろうと言っていたことまだやれてないよね」とコロナの時ぐらいから話していたんですが、それが今たまたま実現している感じですね。

 なので、急にしゃかりきに働き出したわけではないんですよ(笑)。テレビだって、今も「あれやりたいね」「あれをレギュラーにして」なんて動いているものもありますから。

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