極真空手・大山倍達の孫が仮想通貨詐欺で敗訴 尋問にも姿を見せず…

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リスクの説明はなく「絶対、大丈夫」

「判決が出た以上、必ず支払ってもらいたいです」

 と憤るのは、被害女性その人だ。

「彼とはお店で出会いました。初めて来た時に一緒にいたお客さんが“この人は大山倍達さんのお孫さんで、今仮想通貨を作り始めていてすごいことになる”と言っていて……。当時彼は20歳過ぎでしたが、マスコインの説明も熱心にしていましたよ。調べたら、おじいさんはすごく有名な人。その後もお店で1回50(万円)とか80とか使ってくれるので、信用してしまって……」

 彼女は照羅氏と交際を始め、後、知人男性も誘って出資することにしたという。

「その時は別れていたんですが、事業のことは信用できるな、と思って。初めは300万円。知人も300万出すことになり……」

 その後、彼女はさらに100万円、男性も400万円を追加でつぎ込んだ。

 男性が言葉を継ぐ。

「リスクの説明は一切なく、絶対、大丈夫とだけ言われて。こっちも甘かったんですけどね。でも、それからはいつまでたっても動きがなく、こちら側からちょこちょこ“いつ上場するの?”と聞いても無視されるし、電話にも出ない。だまされたとわかって、翌年、提訴したんです」

2度少年院に

 照羅氏は1997年生まれ。中学時代にグレはじめ、少年院に行くこと2度。一時は更生しかけたものの、知り合った香港の投資家に仮想通貨事業を唆(そそのか)された頃から生活が派手になったとか。

 その照羅氏に取材を申し込んだものの、回答はなかったけれど、

「この件で父の名前を汚してしまった。申し訳ないと思っています」

 と反省の弁を述べるのは、喜久子氏。

「判決では認められませんでしたが、会館や私は本当にこんなことが行われているなんて知らなかったんです。知らぬ間に息子の周りに悪い人が集まり、父の名を利用されてしまった。今は息子も反省し、再出発を図っています」

 と述べるが、しかし、本件訴訟時、喜久子氏と照羅氏は出廷尋問をすっぽかしたとか。これでは全面敗訴も当然だろう。

 被害女性が言う。

「他にも被害者はたくさんいるはずですよ。知り合いの中には5千万円出したという人もいます」

週刊新潮 2023年4月27日号掲載

ワイド特集「バカと無知の壁」より

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