“相方の死亡届”まで提出した「おすぎとピーコ」の凄絶老後 先輩・美川憲一も「自分がいつそうなるか…」
年齢を聞かれたピーコ「年は83です」
結局、「老老介護」は半年ももたず、22年2月ごろ、おすぎはマンションを出て高齢者施設に入った。だが、今度はピーコに“病”が忍び寄る。
「22年の夏ごろ、ピーコさんが“おすぎが死んだ”と言い出しまして……」
と、先の近隣住民。
「マンションの管理組合の人によると、ピーコさんからマンション所有者の名義変更の連絡があり、おすぎさんの死亡届みたいな書類も添えられていた、と。そこで管理組合の人がおすぎさんの事務所の関係者に連絡すると、おすぎさんは死んでおらず、施設に入っているということを教えてくれたそうです」
施設に入ったに過ぎないおすぎが「死んだ」と思い込む。それはピーコをもむしばみ始めた認知症ゆえのことだったのだろうか。
先の知人が言う。
「月に数回ほど、区役所職員がピーコさんの元を訪ねて安否確認をしていました。その際、職員が“ご年齢はいくつですか?”などと聞くと、“年は83です”とか事実と全然違うことを言ってしまうのです」
そして、“悲劇”が――。
美川憲一は「本当に逮捕されたの?」
神奈川県警戸部署の副署長が言う。
「今年3月25日午後3時に杉浦克昭(ピーコ)さんが窃盗の容疑で逮捕されたのは事実です」
捜査関係者によると、
「ピーコ本人は善悪の判断がついておらず、いまいち話もかみ合わない。そのためすぐに釈放。役所が間に入り、施設で保護することになりました」
おすぎとピーコより早く芸能界デビューした先輩で、二人と交流があった歌手の美川憲一(76)は、
「今回の事件にはもうビックリしました。本当に逮捕されたの? けれど切ないわねぇ。マネージャーとか誰かケアしてくれる人がいなかったのかなって思ったの。ケアする人がいればまた違ったんでしょうね」
と慨嘆し、こう続けた。
「年齢を重ねてくると本当に人ごとではないですよね。物忘れも多くなるし、足腰も弱るし。その中でもし一人で生きていかなきゃならないってことになったら本当に大変よね。自分がいつそうなっちゃうかなんて誰も分からないんですから」
美川が言う通り、誰にでも、あるいは誰の身内にも起きうる深刻な問題なのは間違いない。それにしても周囲のサポートで逮捕という悲劇を避けることはできなかったのだろうか。4月27日発売の「週刊新潮」では、より深くこの問題をレポートする。
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