【衆参5補選】大分「銀座ママ」は学歴自慢しながら大金星 世襲で辛勝「岸信千世氏」の困った評判

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ヤバすぎる演説

 同じく「肩書き」に苦しみながら敵の猛追をギリギリで交わしたのが、衆院山口2区の岸信千世氏(31)である。こちらも立憲民主党候補の平岡秀夫・元法務大臣(69 )との一騎打ち。立候補表明直後、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三といった首相経験者の名を連ねた「家系図」を自身のホームページに掲載し、猛批判を浴びたところからのスタートだった。

 全国で世襲批判が吹き荒れるも、保守王国・山口県において岸ブランドは盤石と思われていた。ところが、選挙戦が始まるや、岸氏の評判は日に日に落ちていった。

 最も聞こえてきたのが、「演説がヤバすぎる」という不評だった。

「何を言っているかわからないんです。ダーッと課題を並べ立てているだけで、政治家として何をどう変えたいのかがまったく伝わってこない。『中身がなさすぎる』『想像以上のお坊っちゃま』といった悪評が流れた。挨拶がろくにできないという声も」(地元記者)

 実際、選挙戦終盤に近づくにつれマスコミ各社の情勢調査も厳しい数字が出始め、某社の出口調査では4ポイント差で平岡氏リードと伝えていた。

「結果は約5000票差で岸氏が勝利しましたが、無党派層の大半は平岡氏に入れた模様です。当確が出た後で万歳三唱をする時、選対本部長を務める柳居俊学(しゅんがく)県議会議長や司会者が『岸信夫』と続けて言い間違えるハプニングがありました。結局、支援者が応援していたのは『岸家のお坊っちゃま』だったことを象徴していたのかもしれません」(同)

躍進した維新

 今回の補選で見る影もなくなってしまったのが、1勝すらできなかった立憲民主党である。選挙後、岡田克也幹事長は「(自民党が)勝ったとはいえ接戦だったよね、ということは言っておきたい」と負け惜しみを言っていたが、もはや野党第一党としての存在感はなくなってしまったと言っても過言ではないだろう。衆院千葉5区も候補者調整がうまくいっていれば勝てたところなのに、自民党新人の英利アルフィヤ氏(34)に競り負けてしまった。

 代わりに台頭してきたのが、衆院和歌山1区を制し、統一地方選で自治体の首長と地方議員を774人まで増やす大躍進を遂げた日本維新の会である。今回の勝利で解散総選挙が近づいたという観測もあるが、野党第一党が入れ替わる日は近いかもしれない。

デイリー新潮編集部

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