「もう一生、女として見てもらえないの?」妻の圧に耐えられず、44歳夫が漏らした禁断の一言

  • ブックマーク

忘れられない妻の言葉

 今でも覚えているのは、下の子が1歳を過ぎたころのこと。突然、別の部屋で寝ていた彼のもとへ妻がやってきたのだ。枕を抱えて。

「沙代は子どもたちと一緒に寝ていたから、いつの間にか寝室が別になっていたんです。ところが急にやってきた。僕のベッドに潜り込んできて『一緒に寝よ』って。さっきまで『私が子どもを寝かしつけている間に、ちゃんと洗濯もの畳んでおいてよ』と言い捨てて去っていったのに、急に甘えられてもその気にはなれません。すでに寝入りばなだと思わせようとしたんですが、彼女はごそごそと僕の下半身をまさぐってきて……。でも僕にはそれが実は不快でしかなかった。すると彼女、『つまんないの』と起き上がって行ってしまったんです」

 つまんない、という言葉だけが彼の頭の中でリフレインした。自分がつまらない男だと言われたと思えてならなかった。

 それ以降も、妻は何度か「仕掛けて」きた。だが、彼はそのたびに妻を突き飛ばしたくなるような衝動と闘った。妻が嫌いなわけではないが、女として行動する妻はいやだった。子どもたちが小学校に上がるようになると、妻自身、焦燥感がわいてきたのだろうか。

「朝起きると、ベッドサイドテーブルの上にマムシドリンクとか、マカとかが置いてあるんです。『セックスレスで悩む妻たち』みたいな特集がある女性誌が置かれていたこともありました。午前中、半休をとったときなどはリビングのテーブルに強壮ドリンクがあった。頻繁に鰻が食卓に上ったこともありましたね。今思えば、妻も追いつめられたような気持ちになっていたのかもしれないけど、僕はそういうのを見るたびに嫌な気持ちになっていった。ますます、妻とだけはできないと感じていました」

次ページ:「あなたから女として見てもらえないわけ?」

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[2/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。