苦手なセ・パ交流戦の前に…広島ファンが気が気でない「G7サミット」余波
GW明けにやってくる大きな試練
広島東洋カープが4月18日の阪神戦を落とし、首位陥落となった。まだペナントレースは始まったばかりであり、順位を気にするときではないが、守護神・栗林良吏(26)を投入しての逆転サヨナラ負けだ。新井貴浩監督(46)は、
「そりゃ打たれることもあるんでね。また次もね、ウチのクローザーですからね。次も信頼して送り出したい」
と栗林をかばったが、「いいですか?」と取材陣に聞き直して、会見を一方的に打ち切ってしまった。
「3月のWBC大会を途中で離脱したように、栗林は本調子ではありません。20日現在、1位のヤクルトから4位の広島まで横一線状態だけに、今が正念場でしょう。」(ベテラン記者)
しかし、カープナインと新井監督にとって、本当の試練がやってくるのは「5月のゴールデンウィーク(GW)明け」だという。というのも、新井カープは大きな“ハンディ”を抱えていた。5月GW明けの8日から22日まで、異例の「長期ロード」に出なければならないのだ。
「5月に広島でG7サミットが開催されます。その影響でマツダスタジアムをほとんど使えない状況になったためです」(NPB関係者)
G7サミットは5月19日からの3日間だが、その準備や警備などもある。海外メディアも大挙してやってくる。宿泊ホテルを来日する各国要人、海外メディアに提供しなければならないため、長期遠征に出てもらうことになった。
「5月2日から4日までは横浜スタジアムでDeNA3連戦が組まれています。5日から7日までマツダスタジアムで阪神3連戦を行い、その後は岐阜、名古屋、東京、横浜、大阪と転戦します」(前出・同)
5日からの阪神3連戦でマツダスタジアムに一時帰還できるが、このスケジュールはむしろ、カープナインを疲れさせてしまいそうだ。書き入れ時でもあるこの時期、「せめて1節くらいはマツダスタジアムにも」とNPBが気を遣ってくれたのかもしれないが、横浜-広島間の移動は時間を要する。そのため、DeNA3連戦の最後の5月4日は午後2時スタートのデーゲームだが、試合終了後に新幹線に飛び乗る予定となった。5日からの阪神3連戦は全てデーゲームだ。もし、4日のDeNAとの試合が延長戦に突入した場合は早朝移動となり、マツダスタジアムに直行しなければならない。
「プロ野球選手が体力的につらいと思うのは、ナイターの翌日がデーゲームになることです。デーゲームでも試合開始の4時間前には球場入りし、体を動かさなければならないので睡眠不足になってしまうんです」(前出・ベテラン記者)
長期ロードと言えば、阪神が高校球児に本拠地を明け渡す「夏の甲子園大会」が思い出される。星野仙一氏が阪神監督を引き受けていたころ、宿泊ホテルがリッチになったことなどを挙げて、「長期ロード=ハンディ」ではないと訴えていたが、冒頭の栗林の不振をさして、こんな指摘も聞かれた。
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