改修、建て替え、移転で揺れる「ZOZOマリン」の急所は「カネ」と「海陸風」、囁かれる救世主の名前は?
「10人目の守備人」
肝心なロッテ球団だが、「意見を求められたら、答える」のスタンスを崩していない。しかし、ZOZOマリンの海陸風はホームチームにとっては「10人目の守備人」とも言える。海岸側のセンターバックスクリーンから吹き込む海陸風は「風速10メートル」を超えることも珍しくなく、フェンスオーバーの打球を押し戻す。また、そのセンターバックスクリーンから吹き込む海陸風と、バックネット側のスタンド席に跳ね返った風がホームベース周辺でぶつかり、ロッテ投手の投げる変化球に“ブレ”を与えている。
凡飛球が大きく流れ、守っていた野手を苦しめることもあるが、佐々木朗希もその恩恵を受けている一人だ。
「ウィニングショットのフォークボールが、落下軌道中に揺れて対戦打者を翻弄しています」(前出・スポーツ紙記者)
海陸風は球場管理者を泣かせてはいるが、ファンの間では「マリン風」の愛称で呼ばれ、むしろ親しまれている。ロッテ球団が行政に意見を求められた場合、「移転したくない。大規模修繕で」と言うのではないだろうか。
千葉市の“新球場予算”は80億円。他球場を調べてみたが、埼玉西武ライオンズの本拠地・ベルーナドームは17年から3年を掛けて大型修繕工事を行った。その費用は約180億円とされ、09年4月開場の「Mazda Zoom-Zoomスタジアム広島」の建設費用は約110億円。話題のエスコンフィールドは約600億円を要した。80億円ではドーム球場はおろか、ファンが「行きたい!」と思う最新鋭の球場は造れないだろう。
「地元財界に協力は不可欠です。総資産2200億円とも言われる実業家の前澤友作氏(47)がこの件で表舞台に出てくるかもしれません。今も前澤氏の会社がZOZOマリンの命名権を持っています。18年にロッテ球団の買収に失敗したとも伝えられているので、ロッテ側はよく思っていないかもしれませんが」(前出・地元メディア関係者)
ちなみに、公表されている前澤氏の自宅は千葉都市モノレールの駅から近いというが…。