なぜ春ドラマが刑事モノばかりに? 専門家が教える注目作品とは
一度はオファーを断った?
今期の刑事ドラマで最注目株は言うまでもなく、キムタク主演の月9だろう。が、放送までには紆余曲折があった。「教場」は2020年と翌年にスペシャルドラマとして放送され、初回の放送時は世帯視聴率で15%を超える高視聴率だったにもかかわらず、だ。
「かねてフジは連ドラ化を狙っていたものの、木村さんは警察学校の教官という濃いキャラクターの主人公を描く『教場』を連ドラにすることには否定的で、一度はオファーを断ったと聞いています。晴れて今クールで放送となり、関係者は胸をなでおろしましたが、前クールの月9では北川景子主演の『女神(テミス)の教室』が全話平均視聴率7%程度と、月9史上まれに見る低視聴率に終わりました。それゆえ木村さんにかかる期待も人一倍大きいのです」(同)
「相棒」を意識した作り
10日に初回放送となった月9の世帯視聴率は12.1%。本誌(「週刊新潮」)
連載でおなじみ、テレビ評論家の吉田潮氏は放送を見てこう言う。
「初回スペシャルの1時間24分を感じさせない出来でした。キムタクのセリフは必要最低限で、引き算の美学やベテランの円熟味が表現されていたと思います」
初回視聴率について先のキー局幹部は、
「数字は悪くないものの、期待値からすると“あれっ?”という印象でした」
同じ刑事ドラマとして注目されているのが、先にも触れたTBS日曜劇場の「ラストマン」。福山扮する全盲のFBI捜査官と、犯人検挙にはどんな手段も厭わない日本の刑事(大泉洋)が捜査にあたるという物語だ。
「二人ともアミューズゆかりの俳優なので、スケジュール調整が難しくない。このコンビが当たればシリーズ化できるともくろんでいるのでしょう。『相棒』を意識した作りです」(先の記者)
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