「STAP細胞はあると信じている」 大阪弁護士会新会長に「小保方晴子さん」「船場吉兆」の代理人
今月1日、弁護士約4700人をまとめる大阪弁護士会の新しいトップが誕生した。新会長に就任したのは三木秀夫氏(67)。名前を聞いてピンときた人もいるはずだ。
司法担当記者が言う。
「三木さんは2014年に理化学研究所で起きたSTAP細胞の研究不正事件で、元研究員の小保方晴子さんの代理人を務めた弁護士です。同年4月に開かれた記者会見で彼女は“STAP細胞はあります!”と大見得を切り話題になりましたが、この会見を取り仕切ったのが三木さんでした」
結局、小保方氏はSTAP細胞の存在を証明することができず「研究不正行為」と認定されてしまったが、その間、彼女の防波堤になったのが三木氏だった。
「STAP細胞はあると信じている」
大阪市内にある三木氏の事務所に通い続けた記者が当時を振り返る。
「三木さんが出てくると必ず記者たちが取り囲んで質問攻めが始まりました。代理人には守秘義務がありますから“特ダネ”を提供してくれるわけはないのですが、質問には丁寧に答えてくれた。だから、毎回何かの情報を期待して通ったものです」
その三木氏は、地元の大阪大学在学中に司法試験に合格。弁護士になるとNPO法の成立に奔走するなど市民派の法律家として知られるようになる。一方でその手腕を頼られ大事件の当事者からの依頼も寄せられた。
07年に産地偽装や賞味期限切れの食品を販売して問題になった船場吉兆の代理人を務めたのも三木氏である。当時、記者会見で息子に回答を指示した“ささやき女将(おかみ)”が口の端に上ったが、三木氏もまた“ささやき弁護士”と揶揄されたとか。
大阪弁護士会の副会長などを歴任したこともあって早くから有力候補とみられていたが、新会長となった三木氏に改めて聞いてみた。
――STAP細胞はやっぱりありますか?
「そりゃ代理人弁護士を務めていましたからね。(STAP細胞は)あると信じています」
弁護士の鑑である。