巨人内部で浮上する「監督交代論」 原監督に“反旗を翻した男”が待望され始めたワケ

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開幕直前に起きた異例のコーチ異動

 原監督の人事を巡っては、開幕直前の3月29日にも、番記者を騒然とさせる一幕があった。久保康生巡回投手コーチと石井昭男巡回打撃コーチをそれぞれ投手コーチ、打撃コーチに横滑りさせた人事である。チームの不振などが原因でコーチ陣を異動させることはよくあることだが、開幕直前は異例のことだった。

「どうやら2人をベンチに入れたいという原監督の一存で決まったもので、強行人事だと捉える人もいます。現場の球団スタッフですら情報共有に乱れが生じるくらい電撃的に決まりました。全権監督でなくなれば、このような迷走人事も一掃できます」(巨人担当記者)

 では、次期監督には誰がなるのか。これまで既定路線として考えられてきたのが阿部慎之助ヘッドコーチの昇格案だった。だが、ここに来て否定的な意見も出始めているという。

「もちろん、阿部さんはこれまでの貢献度を考えればいつかは監督になるべき人物です。けれど、原さんを支えてきたナンバー2の立場として、一緒に責任を取るべきだという声も根強い。何より阿部さんだと『原カラー』が残ってしまう。原さんが何らかのポストを要求し、院政のような形を敷く可能性だってある。高橋由伸氏を挙げる声もありますが、彼も原さんの影響力が及ぶ人なので変わりばえしない」(前出の巨人軍関係者)

大勢の起用方法を巡って原監督と対立した桑田氏

 では、通算16年間も続いた「原時代」を一新できる人物は誰かーー。それこそが桑田真澄ファーム総監督なのだという。昨季、桑田氏は投手の起用方法を巡って原監督と激しく対立。チーフ投手コーチからファーム総監督に追いやられた。対立の原因は新人として入ってきたばかりの大勢の起用方法だった。

「連投させたがる原監督に、『まだプロの肩ができていないのに酷使させてはいけない』と桑田さんは異を唱え続け、煙たがられてしまった。納得いかなかった桑田さんはシーズン終盤の9月に、番記者の前であからさまに監督を批判。そして、昨シーズンが終わったタイミングで辞任を申し出たのですが、フロントが間に入って慰留したと言われている。フロントとしても、監督候補として残しておきたいコマだったからです。もし桑田新監督が実現すれば、これまでの悪い流れを断ち切った新しいチーム作りが可能になります」(同)

 確かに今年もこのままの調子でBクラスともあれば、ドラスティックな改革が必要となろう。はたして山口オーナーの心の中は……。

デイリー新潮編集部

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