「野田元総理が代表になると厄介」 解散先送りで与野党人事はどうなる?

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野田氏の再登板を求める声

 早くも党内には幹事長候補の名が挙がる。筆頭が森山裕選挙対策委員長だ。

 自民党幹部が解説する。

「森山さんは岸田総理から直々に命を受けて、議員同士の利害がぶつかる選挙区調整を着々と進めています。菅義偉前総理や二階俊博元幹事長とも関係が近いので、党内融和も見込めます」

 一方、解散判断の試金石が今月23日の衆参補欠選挙だ。大勝すれば解散に向けて勢いがつく。が、自民党幹部はこんな見方。

「結果次第だけど、立憲民主党が泉健太代表を代えると情勢が変化する可能性がある。保守層からも支持があり、他党との交渉もできる野田佳彦元総理が代表になると厄介だ」

 実際、立民には野田氏に再登板を促す声が出始めた。

「憲法審査会の開催間隔を巡る小西洋之参院議員の“サル発言”に関しても、泉さんには指導力が見られず補選に影響しかねない。もはや党内ににらみが利くうえ、安定感のある野田さんしか選択肢はありません」(立民中堅議員)

 与野党の思惑が絡む国民不在の駆け引きは続く――。

青山和弘(あおやま・かずひろ)
政治ジャーナリスト、星槎大学非常勤講師。1968年、千葉県生まれ。元日本テレビ政治部次長兼解説委員。92年に日本テレビに入社し、野党キャップ、自民党キャップを歴任した後、ワシントン支局長や国会官邸キャップを務める。与野党を問わない幅広い人脈と、わかりやすい解説には定評がある。2021年9月に独立し、メディア出演や講演など精力的に活動している。

週刊新潮 2023年4月20日号掲載

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