巨人が暗黒時代に突入も…ベテラン補強は“完全に裏目”、原監督が迫られる厳しい決断
今年35歳以上になる野手は12球団で最多
昨年のリーグ4位からの巻き返しを図る巨人。開幕カードこそ中日に勝ち越したものの、その後は4カード連続で負け越し、セ・リーグ「10敗一番乗り」と苦しいスタートとなっている。さらに、ここへ来て、チームの“高齢化”が大きな問題となり、「暗黒時代」への突入も囁かれ出してしまった。【西尾典文/野球ライター】
昨年オフに無償トレードで広島から“出戻り”という形で長野久義、ソフトバンクを自由契約となった松田宣浩という大ベテランを獲得した。中島宏之や坂本勇人、梶谷隆幸と合わせて、今年35歳以上になる野手は5人を数える。これは12球団で最も多い。このうち、キャンプ中の紅白戦で受けた死球による骨折で出遅れた中島以外の4人は、開幕一軍スタートとなったものの、軒並み戦力となっていない状況が続いている。
松田は4月14日に早くも登録抹消となり、二軍に合流している。長野は、復帰後初出場となった4月2日の中日戦で代打タイムリーを放つも、その後はノーヒットが続くなど、あまり目立った活躍を見せていない(4月18日試合終了時点)。
「(巨人の球団内部には)松田と長野の獲得は、反対という声が多かったです。ただ、松田に関しては、ソフトバンクでの経験を原(辰徳)監督が高く評価しており、長野も最後は巨人のユニフォームで引退させたいという思惑があり、最終的には両方を獲得しようということになりました。もちろん、原監督も中島を含めた3人の大ベテランの右バッターを揃って、一軍に置くということは考えていないようですが、支配下選手の貴重な枠を、彼らで埋めてしまうことに対して、疑問視する意見は出ていますね。(2016年に)『三軍制』を本格的にスタートさせて、次代の主力を育てていこうという流れからは逆行する補強です。これで結果が出ていれば、まだいいですけど、ここまでは完全に“裏目”に出ています。二軍で結果を出しても一軍に上がれない、育成選手は支配下登録がされないという状況が続くと、チームの雰囲気はさらに悪くなります」(巨人の球団関係者)
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