【NHK】タモリ、鶴瓶と昵懇の名物プロデューサーが報道と番組のトップに 前会長の改革失敗で白羽の矢

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 NHK「鶴瓶の家族に乾杯」(月曜午後7時57分)の立ち上げプロデューサーで、同「ブラタモリ」(土曜午後7時半)が2015年に3年ぶりに復活した際のプロデューサーでもある山名啓雄理事(56)が、25日付で同局のメディア総局長に就く。報道と番組のトップだ。同時に専務理事に昇格する。報道出身者以外の総局長は異例である上、計12人の役員の中で最年少。その意味は?

鶴瓶、タモリと昵懇の山名新総局長、東大卒で論理的

「山名さんは派手なことを嫌う人。制作畑であるものの、いわゆる業界人タイプとは全く違う。人柄は温厚で実直。理系(東大理学部卒)だからか、話が論理的」(NHK職員)

 笑福亭鶴瓶(71)、タモリ(77)とはロケで地方を一緒に回っていた時期もあり、昵懇の間柄。2人からの信頼は厚いという。

「タモリ倶楽部」(テレビ朝日)が3月で終わったことから、「『ブラタモリ』も年内で終わる」との観測が一部で流れたが、実際には「局内にそんな話は一切ない」(同)そうだ。

 仮にタモリが「『ブラタモリ』での負担が重い」と訴えたなら、軽くする方法をNHKが考える。なにしろメディア総局長が、この番組を知り尽くした山名氏なのだ。

 タモリが自分からリタイアすることはないというのがテレビ界内の共通した見方。タモリにとって芸能界での育ての親である田辺エージェンシー・田邊昭知社長(84)がまだ現役だからである。タモリも命運を共にするとされている。

 NHKは現在、1月に就任した稲葉延雄会長(72)=元日本銀行理事=の陣頭指揮下で、「改革の検証と発展」を実行中。前会長で元みずほフィナンシャルグループ会長の前田晃伸氏(78)によるリストラや番組改革への批判が局内外で渦巻いているため、見直そうとしている。既に全職員に対し、改革によって生じた不具合を書面で提出させた。

 前田体制下では若手も含めて毎月20~30人程度の職員が依願退職した。職員によっては50代半ばから賃金が時給制になってしまうことが影響した。時給1000円台になってしまうベテラン職員もおり、20~30代の職員が将来に希望が持てなくなって、局を去るケースがあった。

「受信料値下げを国民に向けたアピール材料にしたかった政府の意向を受け、前田氏は経費削減に突っ走った」(別の職員)

大編成改革の前と後で視聴率を比較

 それだけではない。1年前の2022年4月には大編成改革も行った。27年続いた「ガッテン!」や37年続いた「バラエティー生活笑百科」など高齢者に人気の番組を打ち切り、一方で若年層ターゲットゾーン(平日午後10時45分~同11時半)を設けた。狙いは若者だった。

 それによって視聴率はどうなっただろう。視聴率と番組の質は別次元だが、観られていないにもかかわらず、受信料を徴収するのは不合理だ。NHKには一定以上の視聴率が求められる。大編成改革の前と後を比べてみたい。

【大編成改革前:2022年1月第2週(1月10日~16日)】

<全日帯(午前0時~深夜0時):個人/世帯>
NHK   3.7%/6.9%
日本テレビ 4.1%/7.2%
テレビ朝日 3.9%/7.1%
TBS   3.2%/5.7%
テレビ東京 1.4%/2.5%
フジテレビ 3.0%/5.4%

<プライム帯(午後7時~同11時):個人/世帯>
NHK   5.0%/8.8%
日本テレビ 6.1%/9.9%
テレビ朝日 5.8%/10.0%
TBS   5.2%/8.6%
テレビ東京 3.4%/5.7%
フジテレビ 4.5%/7.4%

【大編成改革後の現状:2023年4月第2週(4月10日~16日)】

<全日帯(午前0時~深夜0時):個人/世帯>
NHK   2.6%/4.8%
日本テレビ 3.4%/6.0%
テレビ朝日 3.4%/6.2%
TBS   2.6%/4.7%
テレビ東京 1.2%/2.1%
フジテレビ 2.4%/4.1%

<プライム帯(午後7時~同11時):個人/世帯>
NHK   4.0%/7.2%
日本テレビ 5.2%/8.5%
テレビ朝日 4.9%/8.5%
TBS   4.0%/6.5%
テレビ東京 2.7%/4.6%
フジテレビ 4.1%/6.6%

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