カルテル課徴金275億円でも「中部電力」会長vs.社長の「JERA」争奪戦 電気代高騰そっちのけ
JERA
中部電では16年4月からカンパニー制が導入された。販売カンパニーから衣替えしたのが中部電力ミライズだ。
「そのため、林社長はカルテルの当事者とされたわけです。一方、勝野会長は16年6月、中部電の社長であると同時に、“電気事業連合会”の会長を兼任するようになった。公職に就いていたし、カルテルには無関係だから、責任を取るべきは林社長との主張でした」
勝野会長による社長解任動議は、土壇場で提出が見送られたが、
「それ以降、勝野会長、伊藤副社長の電力系統ラインと水野明久相談役、林社長の企画・販売ラインとの派閥抗争が始まりました。林社長一派のリークで、勝野会長のネガティブ情報が一部メディアの誌面に躍った。それに対し、勝野会長は社外取締役を務める“JERA(ジェラ)”の“取締役会議長”に就任すると公言するようになりました」
JERAは、東電HD傘下の「東電フュエル&パワー」と中部電が50%ずつ出資して発足した合弁会社。日本の発電電力の3分の1を担う国内最大規模のエネルギー会社である。
「週刊新潮」2023年4月20日号「MONEY」欄の有料版では、カルテル事件の裏で繰り広げられた中部電力のお家騒動を詳報する。
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