米NYで摘発された中国「秘密警察」 ねつ造と言い張る中国側の反論は「明らかなウソ」

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チャイナタウンに秘密警察署

 米司法当局は17日、ニューヨーク市で中国の秘密警察署を運営したとして、中国系米国人の男2人を逮捕した。彼らは2022年2月ごろ、同市のチャイナタウンに福建省出身者向けの懇親会などを行う非営利団体の事務所を開設したが、実態は同省福州市の「警察署」だったという。

「昨年10月、FBIがこの“警察署”を捜索しました。男2人は、中国の体制に批判的な人物の言動を監視し、問題のある人物には嫌がらせを行うだけでなく、強制的に帰国させることまで行っていました。さらに2人は中国公安当局からの電信記録を破棄するなど、捜査妨害を行っていたことも発覚。アメリカ政府の許可なく中国政府の代理人として警察活動をしていたわけで、NY州の連邦検事は『中国公安部はNYのど真ん中に警察署を開設し、アメリカの主権を侵害している』と主張しています」(外信部記者)

 中国外務省は18日の会見で「中国は他国への不干渉政策を維持しており、このような警察署は存在しない」と全面否定したが、秘密警察署は少なくとも53か国、102か所にのぼることがスペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」によって昨年、報告されている。日本も例外ではない。東京都内に2か所あり、そのうち秋葉原のビルにある拠点は、やはり福建省福州市の名前が入った一般社団法人となっている。

「こうした中国による監視体制構築のルーツは、習近平体制が発足した2012年以降から始まった『キツネ狩り作戦』にあります」

 というのは、元産経新聞中国総局特派員で、中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事の野口東秀氏。

「キツネ狩り作戦」とは、海外に逃亡した汚職官僚を追跡し、中国に連れ戻すというもの。相手国への通告はおろか、法律も守らず、勝手に捜査することが問題視されており、2021年7月には男性汚職官僚の摘発を勝手に米国内で行ったとして、NY連邦大陪審がストーカー行為などの罪で中国人捜査員9人を起訴している。彼らは汚職官僚を強引に帰国させようと自宅におしかけ、

「中国に戻って10年服役すれば、家族は無事だ」

 と書いた置き手紙を残したほか、中国にいた官僚の父親を渡米させ、帰国しなければ家族に危害を加えると脅迫した。一連の作戦には、武漢市公安局の捜査員も一緒に渡米していた。

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