早くも11敗「巨人」が抱えるシーズン終了後の難題 大物3人の年俸は原理論で簡単に削れない?

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早くも気になる今オフの契約更改

「坂本、丸、菅野は悪くても現状維持で、昇給も考えられます」(関係者)

 そのプラス査定の根拠だが、前述の原監督の「軸のところ発言」にあるという。

「丸は『2番』を打つこともありますが、坂本同様、打線の中軸です。打線の中軸選手が打てばチームが盛り上がると原監督が解釈しているのなら、そのなかに丸も入ってきます。菅野も順調に回復すれば、先発ローテーション入りは必至です。外国人投手が3人もローテーションに入るスクランブル体制でスタートしましたので」(前出・同)

 坂本たちには過去の実績がある。後輩の選手たちにも信頼されているので、一本のタイムリーヒット、ホームラン、1勝でベンチが盛り上がる。そういったシーンが続けば自ずとチームも勢いづいていく。つまり、チーム浮上のカギはやはり坂本たちが握っていて、シーズン通しての個人成績は多少下がったとしても、チームが勝てば、それだけで彼らの査定には加点が付く。

 当然、最下位脱出、首位戦線に浮上するには坂本の不振脱出が不可欠だが、ドロ沼状態が長引いている理由は「年齢的なもの」だけではないようだ。

「原監督と坂本自身の考え方の違いも関係しています」(ベテラン記者)

 巨人戦を担当したプロ野球解説者がよく口にするのは、「力の入りすぎ」。打球を遠くに飛ばそうとする余り、バットを後ろに引く幅が大きすぎるのだという。

「キャンプ中、坂本が打撃練習をしていたときです。打球を見ながら首を傾げていました。本人はスタンドに入ったと思った打球がフェンス前で失速してしまうんです。オープン戦中盤、中田翔(34)にアドバイスを求める場面も見られました」(前出・同)

 坂本と同じショートを守る新人の門脇誠(22)がハツラツプレーでファンにも認知されるようになったのも、ちょうどそのころだ。原監督や首脳陣は「まだ衰える年齢ではない」「体を鍛え上げて」と坂本を鼓舞し続けたが、

「ヒットが全然出ないので、坂本自身は『ホームランを捨ててもいい』とも考えています。でも、首脳陣は鼓舞するばかり。年齢に合った打撃スタイルに変えてもいいのかもしれません」(前出・関係者)

 原監督は、よく言えば「見守っている」ということになるのだろうか。

「昨秋キャンプ時点で両者は『これからのこと』を話し合い、坂本のショート一本で勝負したいとする気持ちを優先しました。原監督は現役晩年、自身に『代打・長嶋一茂』を送られるなど辛い思いもしたので、なんとかしてやりたいとの親心もあるようです。ただ、指揮官として、実力至上主義を明言してキャンプインしたのに、『坂本と門脇を競争させることはしない』と言い、このへんのチグハグぶりがチームの低迷につながったのかもしれません」(前出・関係者)

 先の日替わり打線に象徴されるように、原監督はどちらかと言えば「動」の指揮官だ。しかし、どういうわけか、延長戦に弱い。2019年の3度目の監督就任以降、延長戦36試合を戦ったが、7勝16敗13分けと大きく負け越している。昨季7月6日を最後に、延長戦で勝ったことがなく(4月17日時点)、ビハインドを追い付いて延長戦に持ち込んだ試合に関しては、19年以降、0勝6敗3分け。

 そうなるとやはり、経験豊富な坂本の復帰は不可欠だ。今オフ、打撃成績に関係なく、高額年俸を提示するしかないようだ。

デイリー新潮編集部

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