【米機密文書流出】アメリカは韓国の政権幹部も盗聴 同盟国なのに信用していないのか?

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日本も対象

 もしCIAが国家情報院の関係者に尹政権内部の盗聴を依頼しても、二つ返事で引き受ける可能性は高いという。

「国家情報院にとってCIAと密接な関係を維持することは重要です。情報活動はギブアンドテイクでもあるので、恩を売れますから積極的に協力するでしょう。また、国家情報院も尹政権の本音を知っておいて損をすることは絶対にありません」(同・山田氏)

 韓国だけでなくG7の6カ国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス)もアメリカの同盟国だが、CIAにとっては諜報活動の優先順位が高い国家だという。

 日本でもアメリカの諜報機関は情報提供者を探したり盗聴を行ったりするなど、情報を入手するためにありとあらゆる手段を講じている。例えば、安倍晋三氏(1954〜2022)は首相在任時、親米路線を明確にしていたが、それでもアメリカは政権周辺の情報収集を行っていたという。

「北朝鮮や中国に軍事的に対峙する場合、鍵を握るのは在日米軍と韓国軍です。韓国と同じように日本にも北朝鮮や中国の情報が集まります。また東アジアで有事が発生した場合、アメリカ政府は日本に住む自国人の安全を守る責務があります。北朝鮮のミサイル発射でJアラートの問題点が議論されていますが、岸田政権内部でJアラートの不具合をどう認識しているかという情報は、アメリカにとっても非常に重要でしょう」(同・山田氏)

情報は真実

 韓国大統領府は11日、米韓の国防相による電話会談の結果として「該当する文書のかなりの数が偽造されたものだという見解でアメリカと一致した」と発表し、日米のメディアも大きく報じた。

 だが山田氏は「一部が書き加えられるなど、原本と違うところがあるかもしれませんが、内容は基本的に事実でしょう」と指摘する。

「アメリカも韓国政府も火消しに大慌てですから、『文書は本物ではありません』と発表せざるを得ません。とはいえ、ゼロから機密文書を捏造することは無理でしょう。北朝鮮がロシアとつながっていることを考えると、ウクライナへの弾薬提供は北朝鮮を刺激し、韓国への直接的な脅威にもなります。今回の流出文書で言えば、尹政権が『ウクライナ戦争でアメリカの味方をし過ぎると、ロシアや中国との関係が悪化するのではないか』と心配しているという情報の根幹は正確だと考えられます」

註:韓国大統領府内の会話「アメリカがスパイ」か…機密流出で同盟に影、バイデン政権危機感(読売新聞オンライン・4月11日)

デイリー新潮編集部

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