最下位に沈む巨人 原監督の選手起用に関する考え方を推測すれば【柴田勲のセブンアイズ】

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投手と打者、それぞれの問題

 もっとどっしり構えてほしい。私はかねてから1番・吉川尚、2番・坂本、3番・丸(2、3番は入れ替えOK)、4番・岡本、5番・中田、6番ルイス・ブリンソンを提唱している。

 巨人らしい決まった形の方が野球は楽しいし、長い目で見ればプラスではないか。要は特A、Aの選手の実力を信じて起用してほしいということだ。
 
 ハッキリ言って、このままでは優勝はおろかAクラス入りも危なくなる。

 投手陣はやはり、特Aの菅野智之の離脱が大きい。先発投手で頼りになるのは戸郷翔征だけだ。WBCが大きな自信となったのか。エースらしく連敗を5で止めている。外国人3人は特別よくもなければ悪くもない。

 勝ちパターンに運んでいけない。もっとも守護神の大勢だって危ない面がある。早く菅野に復帰してほしい。

 チーム防御率3.28はリーグ最低だ。大城のリードにも問題がある。外野フライを許してはいけない場面で2ストライクと追い込みながら内角高めを要求し、甘く入って犠飛になった。

 ここは外角低めだろう。とにかく低めに丁寧に投げさせることが肝心だ。内角高めを求めて、甘く入れば打たれる。外角低めは投手にとっては基本だ。勘違いしている。

 打者もそう。巨人の打者はボール球に手を出して相手の投手を助けている。甘い球、打てる球だけを狙う。我慢しろ。首脳陣たちがケツをたたいていくしかない。

 巨人はヤクルト、阪神と並んで優勝する力を持っていると見ている。しかし、情けないことになった。

 18、19日は長崎、佐賀でDeNA2連戦、21日からは神宮に舞台を移してヤクルト3連戦だ。

 正念場で力を発揮して最下位を脱出してもらいたい。これからも注目していく。
(成績は17日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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