相次ぐウクライナ軍“反転攻勢”報道の実情 肉弾戦のロシア軍対策で新たな秘密兵器も

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段ボールの秘密兵器

 春になっても激戦が繰り広げられるのは、今後も東部戦線だけになる可能性があるという。

「ロシアは東部のドネツク州やルハンシク州の制圧を最重要の作戦と位置づけています。ウクライナ軍にとっては、ロシア軍が攻撃を繰り返すほど戦果を挙げることができます。そしてこれまでの戦果を考えれば、たとえバフムトが完全に陥落しても落胆する必要はないでしょう。確かに交通の要衝を失うことは大きな損失ですが、ウクライナ軍は戦略的に後退すればいいだけです。さらに攻め込んできたロシア軍を返り討ちにすることも不可能ではないでしょう」(同・軍事ジャーナリスト)

 東部戦線で戦うウクライナ軍に秘密兵器があるという。オーストラリアのSYPAQが開発した「コルボ(Corvo)」というドローン兵器だ。

「コルボは偵察にも攻撃にも使えるドローンですが、最大の特徴は段ボール製だということです。大量輸送が可能ですし、ナイフやテープがあれば最前線の戦場でも容易に組み立てられます。何より価格が安いので、ウクライナ軍も大量注文ができます。今、必死に調達していると言われており、東部戦線に投入されるのは確実でしょう」(同・軍事ジャーナリスト)

 ロシア軍は戦車が枯渇しているため、生身の兵士による“肉弾戦”がメインの戦術になるという。

「捨て身の攻撃を仕掛けてくるロシア軍の歩兵隊を、ウクライナ軍はコルボで撃退しようとするはずです。東部戦線における一進一退の攻防は、長期化しても不思議ありません。そして戦闘が長引けば長引くほど、ロシア軍の被害は増えるわけです。ウクライナ軍にとって有利になるでしょう」(同・軍事ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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