相次ぐウクライナ軍“反転攻勢”報道の実情 肉弾戦のロシア軍対策で新たな秘密兵器も
CNN.co.jpは4月6日、「ウクライナ軍、後方への攻撃や弾薬の備蓄を実施 反攻の準備か」との記事を配信した。ウクライナ軍が春にも反転攻勢に出るという記事は、他にもロイター、読売新聞、時事通信などが配信している。
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ただし、記事には「反転攻勢」と書かれているものの、具体的な内容は乏しい。一体、ウクライナ軍はどこをどう攻撃するつもりなのか。軍事ジャーナリストが言う。
「ウクライナは『国土の全てからロシア軍を追い出す』ことを勝利の条件としています。とはいえ、ウクライナは約60万平方キロメートルで、日本の1・6倍という面積です。意外に広いと言えるでしょう。ウクライナ軍が国内全域で反転攻勢を仕掛けるのは無理ですから、どこかに戦力を集中させる必要があります」
候補地の一つがクリミア半島だ。ウクライナにとって半島の奪還は民族的な悲願であり、実現した場合のインパクトは比類ない。ウクライナ軍は常にクリミア半島への進軍を考えているはずだ。
「ここで重要な意味を持つのは、ウクライナ軍が東部戦線で善戦していることです。ロシア軍の猛攻に耐えて反撃し、相当な戦果を挙げてきました。ロシア軍を著しく消耗させたのは明らかで、これはウクライナ軍の戦略的勝利だと言えます。バフムトも厳しい状況とはいえ、いまだに陥落していません。このままロシア軍を東部戦線に引き付けながら、クリミア半島に駐屯する戦力を少しずつ削り取っていくという作戦がセオリーだと考えられます」(同・軍事ジャーナリスト)
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